【必見!!】eMAXIS Slim 米国/全世界 徹底比較で驚きの結果

こんにちは、Massaです。

eMAXIS Slimシリーズ」の「米国株式(S&P500)」と「全世界株式(オール・カントリー)」。

いずれも積立NISAやiDeCoなどで高い人気を集めています。

そして毎年行われる、投信ブロガーが選ぶ「ファンド・オブ・ザ・イヤー」の投票でも常に上位にランクインしていまして、パフォーマンスの高さが認められています。

そんな米国株式と全世界株式ですが、「どちらを買うべきか」という議論はこれまでも各所で繰り広げられてきましたが、答えの出ない永遠のテーマとなっているのが現状です。

それぞれにメリットやデメリットがあるため、一概にどちらがイイと決めることもできず、それは正に、ドラゴンボールかスラムダンク、どちらが優れた作品かを決めろというようなものです。

ただし、米国株式と全世界株式に対しては、こんなイメージを持っている人が多いのではないかと思います。

米国株式はこれまでの著しい成長振りから「大きなリターンが見込める投資先」。

全世界株式は幅広く分散が利いていることから「手堅いリターンが見込める投資先」。

それぞれこんな風に役割を与えている人も多いと思います。

なので今回は、eMAXIS Slimの「米国株式(S&P500)」と、「全世界株式(オール・カントリー)」の中身や過去のパフォーマンスを比較しまして、これまで、イメージ通りのパフォーマンスを見せてきたのかどうかを検証してまいります。

ではまず、「米国株式(S&P500)」から見ていきましょう。

ベンチマークは米国の株価指数「S&P500」ですので、S&P500に連動した成績を目指します。

これまでのパフォーマンスについては、一時的な下落はあったものの、ここまで右肩上がりで推移しています。

設定日は18年の7月3日。基準価格は1万円でスタートしまして、21年6月末の基準価格は16,444円です。なのでもし、設定日の段階で1万円を投資していたら、今では16,444円に増えていたことを意味します。

純資産総額は4,943億円と破竹の勢いで伸びていまして、投資信託として安定した運営ができるのが30億円と言われる中ですので、全くもって申し分のない額になっています。

こちらが組入れ上位10位銘柄になりますが、Apple, Microsoft, Amazon, Facebook, Alphabet(Google)など、いわゆる「GAFAM」だけで21.7%を占めているのが現状です。

なので例えば、この「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を1万円分購入したとすると、2,170円はGAFAMの株式に投資することを意味します。

続いて騰落率を見ておきましょう。

この商品がしっかりとベンチマークのS&P500に連動した運用をしてこれたかを示すものですが、過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年といずれの期間で見ても、ベンチマークのS&P500とほとんど乖離なく運用されてきたことが分かりますので、優秀な投資信託だと言うことができます。

手数料は私たちの資産形成の鍵を握る重要なファクターです。手数料は運用報告書で確認することができますので、直近の運用報告書で確認をしていきましょう。

手数料の大部分を占める「信託報酬」が0.098%。1年間運用してみて初めて分かる「隠れコスト」と言われるものが0.026%。これらを合計した「実質コスト」が0.124%。これは破格とも言える、大変安い手数料となっています。

eMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の運用コストを宣言しておりまして、現にこれまでもライバル商品が手数料を下げてきた場合には、しっかりそれに追随する動きを取ってきました。

eMAXIS Slim米国株式S&P500の手数料がどれ程に安いのかと言いますと、米国株に投資する他の商品と比べてみても、この0.124%というのは、「SBI・V・S&P500」と並んで飛びぬけた低コストになっていることがお分かりいただけるかと思います。

S&P500に投資する商品の中では、eMAXIS Slimと「SBI・V・S&P500」がしのぎを削っていまして、この2つの商品に多くの資金が集まっているのが現状です。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を詳しく

続いて、「全世界株式(オール・カントリー)」について見ていきましょう。

ベンチマークは全世界の株価指数「MSCI All Country World Index」となっていまして、この株価指数に連動した運用成績を目指します。

パフォーマンスについては、米国株式S&P500と同様に一時的な下落はあったものの、基本的にここまで右肩上がりで来ています。

設定日は18年の10月31日。基準価格は1万円でスタートしまして、21年6月末の基準価格は15,458円にまで成長しています。

純資産総額は2,128億円と、米国株式S&P500ほどではありませんが、こちらも申し分のない額になっています。

こちらが組入れ上位10銘柄になりますが、こちらもやはり「GAFAM」が上位を占めていまして、比率は11.5%となっています。

6位に台湾セミコンダクターが食い込んできていますが、それ以外のトップ10はいずれもアメリカの企業が占めています。

後ほど詳しく解説しますが、全世界株式とは言っても、多くの部分をアメリカが占めているのが実情です。

騰落率も見ておきましょう。

過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年といずれの期間で見ても、ベンチマークのMSCI ACWIにしっかりと連動した運用がされてきたことが分かりますので、これもまた、優秀な投資信託だと言うことができます。

コストについては、信託報酬:0.117%。隠れコスト:0.061%。合計の実質コストは0.178%。これも大変安い手数料となっています。

他の商品と見比べると、世界に手広く投資する全世界株式で0.2%を切ってくる商品は、そう多くありません。

0.2%を切っているのは、オール・カントリーから日本を除いた「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」。

それから、「雪だるま」の愛称を持つ「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」。

このSBI雪だるまは実質コストが0.133%と、オール・カントリーを凌駕する手数料となっています。

ベンチマークがMSCI ACWIではなくFTSEの指数となっていまして、オール・カントリーとは投資対象が少し異なるため、一概にどちらがいいとは言えませんが、少なくとも手数料の点では今のところSBI雪だるまが最安となっています。

eMAXIS Slim 米国・全世界 「ベンチマーク」を詳しく

さて、それではもう少しベンチマークについて詳しく解説します。

米国株式のS&P500というのは、「スタンダード・プアーズ社」が、ニューヨーク証券取引所とナスダックに上場する企業のうち、代表的な500銘柄を選定して指数化したものです。

一方、全世界株式の指数・MSCI All Country World Indexは「モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル」が、先進国23ヶ国、新興国27ヶ国から3,000銘柄を選定して指数化したものです。

こちらが国の構成比率をグラフにしたものですが、全世界株式とは言え、約6割をアメリカが占めているという点は頭に置かれると良いと思います。

2つの株価指数の守備範囲を図にすると、このようになります。

S&P500の方は500銘柄とは言え、これでアメリカの時価総額の約80%をカバーしています。

一方のMSCI ACWIも3,000銘柄とは言いながらも、これで世界の時価総額の約85%をカバーしています。

繰り返しになりますが、MSCI ACWIのうち、約6割をアメリカが占めているため、米国株式の動きが全世界株式の動きに大きく影響するということを意味しています。

eMAXIS Slim 米国・全世界 パフォーマンス比較

さて、それでは、eMAXIS Slimの「米国株式(S&P500)」と、「全世界株式(オール・カントリー)」のこれまでのパフォーマンスを比較していきましょう。

まずは左のグラフが直近1年間の比較ですが、リターンは米国(S&P500)がプラスの43.3%。オール・カントリーがプラスの42.8%と、この一年は両者、同じような動きとなっていました。

投資信託では年間5%ですとか、7%といったリターンを狙うものですので、そもそも43%というのが異常なのですが、それは一旦置いておくことにします。

そして右側が直近2年8ヶ月の累計のリターンになります。米国株式(S&P500)がプラス62.5%。全世界株式(オール・カントリー)がプラス54.6%なので、少し差が出ています。

何故こんな中途半端な期間で比較しているのかというと、オール・カントリーの設定日が18年の10月末ですので、それより前のデータがありません。

なので、これはよく使う方法なのですが、ベンチマークを同じくするETFのデータを使って比較をしていきます。

SPY」がS&P500に連動するETF、「ACWI」がMSCI ACWIに連動するETFです。

これで見ていきますと、10年間累計のリターンはS&P500では289.2%とあります。

つまり、もし10年前に10万ドルを投資していたら、今では389,200ドルに増えていたことを意味しています。

一方、MSCI ACWIの方では、10年間累計のリターンは156.2%とあります。

つまり、もし10年前に10万ドルを投資していたら、今では256,200ドルに増えていたということです。

やはりここ10年ほどの米国株の成長は目を見張るものがありましたので、米国以外の先進国や新興国も含まれる全世界株式と比べると、純粋な米国株の方がリターンが大きくなったというのは、頷けると思います。

ところで今回、一番見ていただきたい点は「ボラティリティ」です。

ボラティリティとはつまり、価格の振れ幅のことをいいまして、高ければ高いほど、価格が上下に暴れることを意味しています。

一般的には、リターンが大きいものは、それと引き換えにボラティリティも大きくなるものですが、今回、全世界株のMSCI ACWIは米国株S&P500ほどのリターンを出せていないにもかかわらず、ボラティリティはS&P500と同じかやや高くなっています。

全世界株に投資する身としては、ボラティリティが米国株と同じぐらいなのであれば、リターンも米国株と同じぐらいほしいと思ってしまうところです。

全世界株式の足を引っ張る「新興国株式」だが…

全世界株MSCI ACWIのボラティリティを引き上げていた要因が何なのかを解析してみます。

米国以外の先進国株と新興国株のグラフも表示しています。

全世界株は「米国株+米国以外の先進国株+新興国株」で構成されていますので、このグラフはつまり全世界株を、「・米国株 ・米国以外の先進国株 ・新興国株」に分解している事と、ほぼイコールになります。

米国株は先程と同じく「SPY」ですが、米国以外の先進国を投資対象とする「VEA」、そして新興国を投資対象とする「VWO」と、それぞれETFが存在しますので見てみますと、まずリターンについては米国以外の先進国が83.3%、新興国が44.7%と、米国株が頑張っている一方で足を引っ張ってしまい、結果、全世界株としてのリターンを押し下げていました。

ボラティリティの方はと言いますと、米国以外の先進国が18.5%、新興国が21.5%と、やはり全世界株としてのボラティリティを引き上げてしまっていました。

過去10年という期間においては、特に新興国株が全世界株のリターンを押し下げていて、それでありながら新興国株が全世界株のボラティリティを引き上げていたということがお分かりいただけるかと思います。

なのでこれだけを見ると、米国株が最高の投資先で、全世界株は割に合わない投資先だということになってしまって、純粋な米国株だけに投資をするのが一番良かったということになります。

ただしこれはあくまで最近10年での話であって、今後もこの状況が続くかどうかはもちろん分かりません。

こちらは過去16年のデータで、緑の線が米国株、青の線が新興国株です。

最終的なリターンこそ米国株が勝っていますが、2006年からの9年間ほどは新興国が米国株をoutperformしていたというのも事実です。

切り取る期間によっては、米国株・新興国株どちらが良いパフォーマンスになるかは異なってくるものです。

つまり何をお伝えしたいかと言いますと、これから先も米国株が他を寄せ付けない高いリターンを叩き出していくと信じるのであればS&P500のような米国株一本で投資していけば良いことになりますが、もし今後、米国以外の先進国株や新興国株が台頭してきた場合に、そのメリットを取りこぼさないようにするには、全世界株式が大いにその役割を果たすことになります。

eMAXIS Slim 米国・全世界 まとめ

なので、冒頭でお話した通り、全世界株式の役割というのは「手堅いリターンを得ること」ということで間違いは無いのですが、この「手堅い」という言葉の意味は決して「ボラティリティが低いこと」ではなくて、「どのエリアが台頭しても、そのメリットを取りこぼさずに確実に受け取れるようにする」ということ。このような認識が正しいと思います。

中には、全世界株式のボラティリティを見て「こんなハズじゃなかったー」と思う人もいるかもしれませんが、全世界株式には手堅い投資ができる機能がしっかり備わっていますので、腰を据えて継続されるのが良いと思います。

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