米国株式vs全世界株式 どちらを買うべきか?(投資信託/インデックス投資)

米国株式とは?全世界株式とは?

始めに、「米国株式とは」「全世界株式とは」という点を簡単におさらいします。

まず資産形成の基本は「投資信託」を活用した長期投資だと考えています。

なので「米国株式を買う」と言えば、米国企業の個別株を買うのではなくて、米国企業の色んな銘柄を詰め合わせた「投資信託」を買うことをここでは意味します。

全世界株式についても同様に、海外企業の個別株を買うのではなくて、全世界の色んな銘柄を詰め合わせた「投資信託」を買う想定で話をしていきます。

なので今回は、資産形成をする上で「米国株式型の投資信託」と「全世界株式型の投資信託」、どちらを買うべきかという話をしていきたいと思います。

米国株式とは?全世界株式とは?

これは投資経験者の方にとっては聞き飽きた話かもしれませんが、全世界株式といっても、おおよそ6割ぐらいは米国株式が占めています

全世界株式には主要な株式指数が2つありますが、いずれも時価総額加重平均で価格が決まっていくため、結果的に米国株式の割合が大きくなっています。

「時価総額加重平均」というと難しく聞こえてしまうかもしれませんが、つまり大きい会社は沢山組入れて、小さい会社は少なく組み入れるという方式で株価指数の価格が決まっているということです。

なので、今のところ時価総額の大きい会社はアメリカに集中していますので、全世界株式を時価総額に沿って構成していくと、自ずとアメリカの割合が6割ぐらいになるということです。

なので現在では、米国株式が上がれば全世界株式も上がりますし、その逆も然りということです。

米国株式とは?全世界株式とは?

なので米国株式は伸びに伸びている一国の中で分散して投資するもの。全世界株式は米国だけでなくて、全世界に広く分散して投資するものです。

そんな米国株式と全世界株式は、どちらを買うのが良いのかという議論はこれまで各所で展開されてきましたが、それぞれプラス材料とマイナス材料があるため、決して答えの出ない永遠のテーマとなっています。

プラス材料・マイナス材料

米国株式・全世界株式のプラス材料・マイナス材料

ここから、米国株式と全世界株式それぞれのプラス材料とマイナス材料を挙げていきます。

全世界株式のプラス材料

世界人口の推移

まず全世界株式のプラス材料からいきますが、一番大きいと考えられるのは、世界人口は2100年あたりまでは増え続けると予想されていますので、人口の増加に伴って経済は成長して、株価は上がり続けると考えられている点です。

そして世界人口が増えていく中で、どの国・どのエリアが発展しても恩恵を受けられるという点があります。

リバランス

それから、時価総額の変化に伴って、勝手にリバランスをしてくれるという点があります。

実際に投資をやっていく中で、各国・各会社の時価総額は刻々と変わっていきますので、バランスの取れた配分というのは常に変化していきます。

こちらは2011年の全世界株式と2021年の全世界株式を比較していますが、2011年の段階では全世界株式におけるアメリカの比率が43%程でしたが、2021年の段階では60%近くにまで拡大しています。

今のところは米国株式が6割ぐらいというのが最もバランスの取れた配分になっていますが、これが5年後・10年後・20年後には変わっているかもしれません。

このように時価総額に変化が生じれば、全世界株式の投資信託は国ごとの配分を勝手に変えてくれます。

配分を変えることを「リバランス」と言いますが、色んな国の投資信託をバラバラに買っていたら自分でリバランスを行う必要があるところ、全世界株式であれば自分の頭や手を働かせることなく、このリバランスを勝手に行ってくれるというのが、全世界株式の良いところの一つです。

全世界株式のマイナス材料

パフォーマンス比較

全世界株式のマイナス材料は、これまでの株価の成長は米国株式には劣るという点、それから、メリットの裏返しに米国以外の国、特に新興国が足を引っ張るかもしれないと懸念される点です。

現に、全世界株式は新興国株式を含んでいる分、米国株式よりもリターンが低くなっている上に、ボラティリティつまりリターンの振れ幅は大きくなっています。

米国株式のプラス材料

米国の人口推移

一方、米国株式のプラス材料は、何と言ってもこの十数年、株価の成長が著しいという点です。

人口についても、先ほど世界人口は増え続けるというお話をしましたが、アメリカも先進国の中では唯一、将来に渡って人口の増加が見込まれていますこれは、移民の受入れが多くなっている事が要因です。

なのでアメリカは、人口の増加に伴って経済も成長を続けていくと見込まれていまして、株価は今後とも右肩上がりであろうという期待が寄せられています。

それから米国企業の多くがグローバル企業ですので、今や米国企業は売上の約50%が海外での売上となっているのが現状です。

なので将来、世界のどの国・エリアが成長しても、その成長は米国株にも反映されるものと見られていますので、この点は全世界株式と共通のメリットだと見る意見も多くなっています。

米国株式のマイナス材料

新興国株式はボラティリティが高い

マイナス材料は、米国株式にも過去、ボックス圏をなかなか抜け出せない暗黒時代があったことです。

現に米国株式が新興国株式にアンダーパフォームしていた時期があったことも事実です。

米国株式・全世界株式 パフォーマンス比較

そこで実際に、過去のパフォーマンスを比較していきましょう。今回は15年、10年、5年それぞれの期間で、資金を一括で投資したケースを検証していきます。

※指数自体に投資する試算なので、手数料などは考慮されていません。ご了承ください。

米国株式vs全世界株式(15年間)

米国株式vs全世界株式(15年間)

まずは15年間投資するケースですが、今回は2004年8月から2021年11月までを15年単位で区切っていきます。

最初が2004年8月から2019年7月、そして1ヶ月ずらして2004年9月から2019年8月と区切っていくと、全部で29パターンになります。

米国株式vs全世界株式(15年間)

これについては、いずれのパターンにおいても米国株式が全世界株式を上回るリターンを挙げています。

米国株式vs全世界株式(15年間)

2009年以降は、米国株はきれいな右肩上がりとなっていますので、たとえ2008年あたりでリーマンショックの影響を受けてしまったとしても、さすがに15年間も投資していればしっかりとリカバリーができた形です。

米国株式vs全世界株式(15年間)

米国株式で一番リターンが大きくなっているのは、2006年9月から2021年8月まで投資した場合で、リターンは248%。もし100万円を投資していたら15年後に348万円に増えていた計算です。

全世界株式で一番リターンが大きくなったのは2006年8月から2021年7月まで投資した場合で、リターンは122%。もし100万円を投資していたら15年後に222万円に増えていた計算です。

米国株式vs全世界株式(10年間)

米国株式vs全世界株式(10年間)

続いて、2004年8月から2021年11月を10年単位で区切ると、89通りになります。

投資期間が10年になっても、傾向としては同じで、基本的には米国株式の方が高いリターンを出しています。

米国株と全世界株が割と拮抗している時期もありますが、やはり2008年のリーマンショックのどん底以降に投資した場合ですと、米国株の好調ぶりが顕著に反映されています。

米国株式vs全世界株式(10年間)

米国株で一番リターンが高かった2011年10月から21年9月まで投資した場合で、282%。全世界株式は同じ期間で、153%となっていますので、米国株式が全世界株式を圧倒した形となります。

他の期間を見てみましても、米国株と全世界株ではリターンは大方、倍半分にも及んでいます。

米国株式vs全世界株式(5年間)

米国株式vs全世界株式(5年間)
米国株式vs全世界株式(5年間)

ただし、これが5年間の投資となると勝手は違ってきます。

入りきらないので2ページにまたがっていますが、今に近い期間では軒並み米国株の方が高いリターンを出しているのですが、2006年9月よりも前に投資を始めて11年7月までに終えたケースでは、米国株よりも全世界株の方がリターンは大きくなっています。というよりは寧ろ、米国株よりも全世界株の方が「マシ」だったと言った方が正しいと思います。

2008年のリーマンショックを跨いで投資をした場合には、米国株・全世界株ともに実に厳しい状況でした。そんな中でも頑張っていたのが、実は新興国の株式です。

米国株式vs全世界株式(5年間)

全世界株式の10%程度は新興国株式が占めていますので、米国株式が悪くても、新興国株式が良ければ、全世界株式としてのパフォーマンスは引き上げられます。

新興国株式が米国株式をアウトパフォーム

新興国株式というのはボラティリティが示すようにリターンの振れ幅が大きくて、カントリーリスクがあって不安定ですので、これ一本に全力投球することはオススメできませんが、米国株式をアウトパフォームしていた時期もあったことを考えますと、ポートフォリオの一部に新興国株式を組み入れることはリスク分散として有効であると考えています。それを簡単に実現できてしまうのが全世界株式です。

なので、米国株式一本だけに投資するというのは、他の国にリカバリーしてもらえる可能性は無くなってしまうということは頭に置いておいた方が良いかと思います。

米国株式vs全世界株式(5年間)

それから、5年間での検証においてはマイナスリターンが散見されますが、マイナスの状態で売却せずに、もう1年でも2年でも辛抱して待っていればプラスのリターンに転じますので、やはり長い期間、投資を継続することが大事だなということを再認識させられます。

もちろんこれは、米国株式や全世界株式に限ったことではありません。

やはり資産形成の基本は長期投資だということに尽きると思います。

米国株式vs全世界株式 まとめ

過去から読み取れること

ここまで、15年・10年、5年という期間で米国株式と全世界株式を比較してきましたが、ここから読み取るべきメッセージはこれらの点になると思います。

 ・米国株式一本でも長期で投資すれば時間的な分散ができるので、エリアの分散をせずとも、しっかりとリターンを挙げられる可能性は高い。

 ・全世界株式ではなく米国株式を選ぶ場合でも、一部、新興国株式も持っておくことで、リスク分散になる。

 ・資産形成の基本はとにかく長期投資。

こんなところかと思います。

結局どっちがいい

正直、米国株式と全世界株式でどっちがいいと言うことはできませんし、長期投資ができるのであれば、米国株式一本でも全世界株式でも、どちらでもいいと思っています。

ただ、「将来、米国以外の国が発展して、そのメリットを取りこぼしてしまったら勿体ない」という思いが強い人は、その不安を日々感じるよりは、全世界株式に投資した方が幸せな日々を送れるのではないかと思います。これはあくまで私の個人的な意見であって、何を優先するかは人によって異なると思います。

中には、「米国株式の方が魅力的だけれども、米国一本っていうのは少し怖い」という人もいるかもしれません。そういう方は米国株式も全世界株式も両方買うのが良いと思います。

米国株式と全世界株式を両方買えば、米国比率が80%に

先程お話した通り、今のところ全世界株式の約60%を米国株式が占めています。なので「全世界株式と米国株式を両方買うのは意味がない」という人もいますが、私は米国の比率を上げる目的で両方買うのであれば、それは実に意味があることだと思っています。

全世界株式と米国株式を半分ずつ買えば、実質的に米国の比率が約80%ということになります。

それか、米国株式を軸に、10%・20%程度は新興国株式にも投資するということでも良いかと思います。

何よりも、投資を長く継続できるように、ご自身にとって一番心地良い比率を探していただくのが正解だと思っています。皆さんの参考にしていただければと思います。

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