【10年で資産6倍】米国ETF”QQQ”の破壊力がハンパない

こんにちは、Massaです。

前回、「NASDAQ100指数への投資がめちゃくちゃ熱い!」というお話をさせていただきました。

米国株といえばS&P500への投資に人気が集まっていますが、実はNASDAQ100指数への投資が激熱です。

そこで今回は、NASDAQ100指数に投資する具体的な手段としまして、米国ETF「QQQ」の中身を解説します。

そしてS&P500に連動するETFと比較して、手数料や分配金などを含め、パフォーマンスがどうなっているのかを見ていきましょう。

そして最後に、QQQのデメリットや注意点を解説していきます。

ETFとは?

まずQQQは、アメリカに籍を置くETFです。

ということで、まずはETFの説明ですが、ETFとはExchange Traded Fundを略したもので、証券取引所で取引される投資信託ということで、日本語では「上場投資信託」と呼ばれます。なので本質は投資信託と変わりません。

ETFのメリットは手数料が安かったり、リアルタイムで取引ができるといった点になります。

「QQQ」とは?

ではQQQの概要ですが、

運用会社はアメリカのアトランタに本拠地を置くインベスコ社

設定日は99年3月とまずまず歴史がありまして、純資産総額は2021年4月末現在で、何と338兆ドルと想像を絶する金額となっています。この338兆ドルというのは、米国ETF約1,200本のうち第五位の大きさです。

連動を目指すベンチマークはNASDAQ100指数

組入れ銘柄は102銘柄。

経費率として0.2%の手数料がかかりますが、トータルリターンは直近5年平均では25%。10年平均では20%と、非常に高いパフォーマンスとなっています。

ザックリとはこのようになりますが、もっと詳しく見ていきましょう。

NASDAQ100指数とは?

ベンチマークとなっているNASDAQ100指数というのがどういうものかと言いますと、NASDAQという新興企業向けの証券取引所に上場する約3,000社のうち、金融セクターを除いた時価総額上位100銘柄の株価を平均して算出した数値です。

そもそもアメリカには大きな証券取引所が主に2つありまして、一つはニューヨーク証券取引所、もう一つはNASDAQです。

ベンチマークとしてよく使われるS&P500の構成銘柄は、どちらの証券取引所にもまたがっています。

そして、NASDAQ市場全体の3,000銘柄の株価を表す指数がNASDAQ総合指数というもので、NASDAQ100指数はその中でも金融セクターを除いた上位100銘柄で構成されています。

上位100銘柄といっても、これでNASDAQ市場全体の71%をカバーしていますし、NASDAQ100指数とNASDAQ総合指数の価格推移を見比べてみましても、ほとんど同じ値動きとなっていますので、NASDAQ100指数はほぼNASDAQ市場全体の動きを表していると言えます。

「QQQ」のパフォーマンス

パフォーマンスについては、先ほど直近5年平均のリターンが25%、10年平均では20%と言いましたが、これっていうのはどれくらい凄いのかを把握するために、S&P500に連動するETF「SPY」と比較していきましょう。

SPYの年間のリターンは5年平均で16%、10年平均で14%と、これもかなり高いパフォーマンスなんですが、QQQはそれを更に上回るリターンとなっています。

更にイメージしやすいように、このETF Replayというサイトを使って検証しましょう。

このサイトでは、もし10万ドルを投資していたら、今ではいくらになっていたかをシミュレーションすることができまして、もし10年前にSPYに投資していたら資産はおよそ4倍、QQQに投資していたら資産は6倍以上に増えていたことになります。

これぞ、QQQの破壊力と言えるでしょう!!

「QQQ」の中身

両者の違いを生んでいるのは何なのかを紐解いていきましょう。

まずセクター別の組入れ比率を見てみますと、SPYの方ではApple, Microsoftなどの情報技術、Amazonなどの一般消費財, Facebook, GoogleなどのCommunication Serviceといったハイテクセクターで約50%を占める一方、QQQにおいてはハイテクセクターで約85%を占めています。

個別の銘柄も見てみましょう。

こちらはSPY、QQQそれぞれの上位10銘柄と組入れ比率になりますが、SPYの場合はおよそ500銘柄あるうちの上位10銘柄で26.3%を占めていまして、その中でも、Apple,MicroSoft,Amazon,Facebook,AlphabetつまりGoogleなど、いわゆるGAFAMだけで20.7%を占めています。

一方のQQQは上位10銘柄だけで50%以上を占めていまして、中でもGAFAMの割合が40%近くにまで達しています。

なのでQQQというのは、「これ程にGAFAMに集中投資するETFなんだ」という風に、イメージを持っていただけると宜しいかと思います。

投資対象となるのは、米国全体の時価総額のうち、どれぐらいに当たるのかと言いますと、SPYの方はアメリカの時価総額のうち約80%を占めるのに対して、QQQはアメリカの時価総額のうち約35%を占めています。

なのでQQQは新興企業のトップ100銘柄、特にGAFAMに集中投資をするETFだということになります。

「QQQ」は分配金(配当)よりも成長重視

手数料や分配金についても見ておきましょう。比較のために、S&P500に連動するSPYの情報も並べます。

米国ETFを購入する上ではどの商品においても売買手数料は0.495%がかかります。

為替手数料は安くする方法はあるのですが、通常は1ドルあたり25銭がかかります。

経費率については、SPYは0.09%と非常に低コストとなっています。QQQの0.2%というのがどうなのかと言いますと、NASDAQ100指数に連動する投資信託の場合は、信託報酬や隠れコストで0.5%以上かかってきますので、それに比べると0.2%というのはかなり低コストだと言えると思います。

税金については、得られたリターンに対してアメリカ本土で10%、そして日本で20.315%の税金が課せられます。これは二重課税になりますので、アメリカ本土でかかる10%の税金は確定申告によって取り返すことが可能です。

分配金利回りは直近1年間の実績ですが、SPYは1.32%、QQQは0.53%です。QQQは高配当を求めるよりは寧ろ値上がりに期待をするETFですので、配当はさほど高くありません。

ちなみにですが、成熟した企業ほど配当を出すことを優先しますが、新興企業ほど配当は控え目にして、自社の成長のために資金を投じる傾向があります。

これは成熟した企業は更なる成長を遂げるのが容易ではないため、配当金を多く出すことで株主に報いようとしますが、

一方、新興企業は高い配当を出すことよりも資金を自社の成長のために使うことを重視します。これは、結果的に会社が成長することで株主に報いることができるという考え方から来ています。

よってQQQは新興企業の集まりですので、配当、つまりETFで言うと分配金は低くなっていますが、これは決して悪いことではありませんので、この点は知っておくとよいかと思います。

また税金というのはこの分配金に対してもかかってきまして、分配金が入る度に20.315%の税金が取られますので、分配金を再投資するのであれば、SPYの方では税金を多くとられた後の資金を再投資することになりますので、長期投資の目線に立てば、分配金は控え目で、株価自体の成長に期待できるQQQの方に優位性があると考えられます。

QQQ(ETF)の注意点

このようにQQQは大変優秀なETFなのですが、ETF自体のデメリットは押さえておく必要があると思います。

一点目は売買手数料や為替手数料がかかるという点であり、米国ETFである以上は避けることはできません。

二点目は、金額指定で購入できない。つまり、意図した金額キッカリを投資することができないという点です。

どういうことかと言いますと、こちらはSBI証券でのQQQの注文画面になりますが、この時点での株価は約337ドル。米国ETFは株数を指定して購入することになりますので、購入できる金額は株価の倍数単位の金額となります。

例えば1株なら337ドル、2株なら674ドル、3株なら1,011ドルといった具合です。

投資信託であれば日本円の金額指定で、例えば3万円と指定したら3万円キッカリを投資することができるのですが、ETFはあくまで株数の指定になりますので、この点は承知しておく必要があります。

デメリットの3点目は、ETFは基本的には定期買付ができないという点です。

投資信託では決まったタイミングでの積立設定ができますが、ETFではできないため、定期的に積立をしたい場合には、手動で買い付ける必要があります。

ただしSBI証券であれば、米国ETFを定期買付できるサービスがありますので、このデメリットは解消されます。

そして4点目。注意点として知っておく必要があるのは、何と言ってもQQQはボラティリティが高いということです。つまり変動幅のことで、投資の世界ではリスクとも表現されます。

こちら、My Indexさんから情報をお借りしていますが、まずS&P500をベンチマークとするSPYのリスクは、直近の5年では15%、10年では13.7%。QQQの方は、5年では17.1%、10年では15.8%と、QQQの方がリスク(ボラティリティ)が高く、つまり振れ幅が大きいことを表しています。

リスクの高い商品においては、株価が暴落しているタイミングでは特に下落幅が大きくななります。資産を売却するタイミングをフレキシブルに動かせる人はいいのですが、売却するタイミングがカチッと決まってしまっている人については、このリスクには注意が必要です。

しかしリターンに目を向けてみますと、SPYは5年では16.8%、10年では13.5%。QQQは5年では26.9%、10年では20%と、リターンの幅ではSPYよりも明らかに大きくなっています。

リスクに見合ったリターンがどれだけあるのかというのは、「投資効率」という言葉で表されますが、このシャープレシオというのは大方、「リターン÷リスク」で算出されまして、値が大きい方が投資効率が高いことを表します。

それを見ますと、3年・5年・10年・15年とどの期間で見ましても、QQQの方がシャープレシオが高い、つまり投資効率が良いという値が出ています。

ただし20年で見たときにQQQのシャープレシオが「0.5」と著しく低くなっているのは、2000年前後に発生したITバブルが要因で、QQQの価格が乱高下したことが要因です。

これはQQQにおいて、IT関連銘柄の比率がおよそ半分を占めていまして、ITバブルの影響をモロに受けたことが要因です。

今後も同じようなことが起こるのかというと、確実なことは言えませんが、現代となっては、ITは私達の生活にしっかりと馴染んでいますので、今後はこのようなバブルが再度発生することは考えにくいという意見が多くなっています。

QQQ まとめ

ただしQQQは大きなリターンが狙える一方、分散が利いているのはやはりS&P500に連動するETFや投資信託です。

ご自身が取り得るリスクと、目標とするリターンを考慮いただきまして、QQQを投資先として組み入れるかどうか、検討してみていただければと思います。

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