【もう迷わない!】オールカントリー/除く日本 どちらを買うべきか?(eMAXIS Slim 全世界株式)

こんにちは、Massaです。

今回は、eMAXIS Slim全世界株式の「オール・カントリー」あるいは「除く日本」、どちらを買うべきか、についてお話したいと思います。

どちらも広く分散投資ができる素晴らしい商品なのですが、日本も含めるべきかどうかというところで悩んでしまう方も多いようですので、どういう人がどちらに向いているかを主に解説してまいります。

結論を先に言ってしまいますと、オール・カントリーがいいのか、あるいは「除く日本」がいいのか、決め手としては、

・そもそも日本株に期待できるかどうか

という点と、

・投資に時間をかけられるかどうか

という点になると思います。

今回お届けする内容はこちらになります。

まず、全世界株式が手堅いと考えられる理由をおさらいしていきます。

その中でもeMAXIS Slimシリーズを選んでおけば間違いないと考えられる理由をお話しまして、そして、eMAXIS Slim全世界株式の「オール・カントリー」と「除く日本」の比較をしてまいります。

どういう人にどちらが向いているのか、という点が分かりやすいように、話を進めていきたいと思います。

それでは内容に入っていきましょう。

まず、全世界株式が手堅いと考えられる理由ですが、それは「世界人口が増えているから」です。

1950年の段階では25億人だった人口は、2050年には98億人に達する見通しです。

人口が増えれば経済は成長し、全世界で見れば株価も成長します。

人口・経済・株価は比例するということを認識していただくため、赤枠(過去から現在まで)の箇所に注目していただきたいと思います。

ここに、世界のGDPの推移を表すグラフを重ねていきますと、世界人口の増加とともに世界経済も成長してきたことが確認できます。

これを念頭に置いた上で、次のチャートをご覧ください。

こちらは、全世界株式の過去15年の価格推移を表すチャートですが、堅調に右肩上がりで推移しています。

全世界で見れば、人口が増えれば経済は成長し、株価も成長すると考えられる根拠となっています。

ただし、将来に渡ってどの国・どのエリアが発展するのかを予想することは容易ではありません。

そこで、全世界株式に投資しておけば、どの国・どのエリアが発展しても、恩恵を受けることができますので、全世界株式が手堅いと考えられています。

全世界株式 商品ラインアップ

全世界株式が手堅いと分かったところで、次の課題は「どの商品を選ぶか」になってきます。

SBI証券のサイトで「全世界」と検索すると、これだけの商品が出てきます。

まず見るべきは、純資産額です。つまり、投資家からどれだけのお金が集まっているかを示すものです。

純資産額が大きいと「繰上償還」という、資金が私たち投資家に強制的にかえされてしまう事態が起き”にくく”なりますし、また手数料を下げやすくもなりますので、純資産額は大きければ大きい程、ベターです。

この中で、桁外れの純資産額となっているのが、「eMAXIS Slim全世界株式オール・カントリー」。そして、そこから日本を除いた「eMAXIS Slim全世界株式 除く日本」です。

もちろん楽天バンガードも純資産額が大きく、良い商品なのですが、eMAXIS Slimの方が手数料がより安く、純資産額が示すように、多くの人気が集まっています。

eMAXIS Slimシリーズの何が凄いかといいますと、何と言っても手数料の安さです。

こちらの文書に記載があるように、eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストをめざず」と宣言しておりまして、実際に競合他社から手数料が安い商品が出てきた際には、eMAXIS Slimもしっかりと追随してきた過去の実績があります。

手数料というのは、私たち投資家の将来の資産形成に直接影響してくる部分ですので、この手数料を業界最低水準してくれるのであれば、eMAXIS Slimシリーズを選ぶ大きな理由になると思います。

ということで、eMAXIS Slimの全世界株式を選ぶところまではたどり着いたとしまして、問題はここからです。

選択肢があることは有難いのですが、投資先に日本を含むオール・カントリーか、あるいは日本を含まない「除く日本」、どちらを選ぶべきかという点で考え込んでしまう方も多いようです。

どういったところが決め手になるのかを把握するために、それぞれの特徴をしっかり比較して、見ていきましょう。

「オール・カントリー」と「除く日本」の比較内容

今回、比較をしてまいりますのは、これらの項目になります。

まずはベンチマークや投資対象についてお話しまして、純資産額・パフォーマンス・手数料などは具体的な数値をもって比較していきます。

そして最後のメリットの部分が、どういった人にオール・カントリーが向いていて、どういった人に「除く日本」が向いているかという最終的な判断に繋がるところだと思います。

「オール・カントリー」と「除く日本」をザックリ

投資対象を把握するにあたり、まずは両者のザックリなイメージを掴んでいきましょう。

大まかには、両者の違いは「どの株価指数をベンチマークとしているか」、つまり、「どの株価指数に連動したパフォーマンスを目指すか」で決まってきます。

オール・カントリーは「MSCI All Country World Index(通称:ACWI)」をベンチマークとしており、世界50ヶ国の大型株から中型株、約3,000銘柄を対象としています。これは世界の時価総額の約85%をカバーするものです。

一方「除く日本」は、ACWIから日本を除いた株価指数「MSCI All Country World 除く日本」をベンチマークとしており、日本を含まない、世界49ヶ国の大型株から小型株、約2,700銘柄を対象としています。これで世界の時価総額の約80%をカバーします。

投資対象の国と銘柄

続いて、オール・カントリーと「除く日本」、それぞれの中身を見てみましょう。

全世界株式といいながらも全体の6割程度はアメリカが占めるというのは、全世界株式のどの商品にも共通して言えることですが、eMAXIS Slimも例外ではありません。

オール・カントリー、除く日本の違いは、当然ながら日本が有るか無いかですが、「除く日本」の方では日本が無い分、日本以外の国々にその比率が散りばめられています。

下段の具体的な銘柄を見てみますと、Apple, Microsoft, Amazon, Facebookなと、今を時めくアメリカのIT企業が上位を占めており、上位10銘柄の多くをアメリカの企業が占めていることが分かります。

つまり、日本の約7%が含まれていようが、含まれていまいが、上位の銘柄はこれらの企業が占めているため、この2つの商品の間に、パフォーマンスで特に大きな差は出てこないと考えてしまって宜しいかと思います。

純資産額の推移

純資産額の推移を見ておきましょう。

設定日については、除く日本が2018年3月、オール・カントリーが2018年10月と、除く日本の方が先に出ておりまして、堅調に右肩上がりで純資産額を増やしていますが、オール・カントリーの2019年末あたりからの伸びは凄まじいものがあります。

おそらくこの理由は、投資初心者の方でも特に深く考えなくても投資ができるという点にあると考えられまして、オール・カントリーの方により多くの人気が集まっているのだと思われます。

とはいえ、除く日本も十二分に純資産額は大きいため、自分にあった方を選べばOKだと思います。

パフォーマンス比較

続いて、過去のパフォーマンスを見てみましょう。

同じような波形をしていますので、パフォーマンスにあまり差は無いと言うことができます。

と言いましても、いずれの商品も人気商品なので意外に思われるかもしれませんが、設定日はそれぞれ2018年10月、および3月と、意外と歴史の浅い商品ですので、パフォーマンスは過去数年分しか見ることができません。

そこで、それぞれがベンチマークとしている株価指数自体のパフォーマンスを見てみましょう。

MSCIのレポートから過去15年分のパフォーマンスを確認することができます。

上のグラフは15年前に100円を投資したら、現在いくらになっていたかを示すものです。

グロスリターンですので、配当込み、税引前のパフォーマンスの比較になります。

オール・カントリーがベンチマークとするACWIの方では260円63銭、「除く日本」がベンチマークとする「ACWI 除く日本」の方では275円91銭と、過去15年で見ると「除く日本」の方が高い若干パフォーマンスを見せていることになります。

表に記載されているように、過去3年・5年・10年といった短い期間で見ても、「除く日本」が連動する「ACWI 除く日本」の方が高いパフォーマンスとなっています。

過去3年・5年・10年・15年とどの期間で見ても、どうやらオール・カントリーの中では日本株が少し足を引っ張ってしまっていたようです。

足を引っ張ってしまった日本株と、好調に推移してきた米国株を比較して見てみましょう。

Investing.comのサイトで、過去10年のパフォーマンスを比較をすることができました。

もし10年前に米国株に投資をしていたら、その資産は1.92倍になっていたことを表していまして、一方、日本株に投資していたら、1.3倍にしかなっていなかったということを意味していますので、過去10年で見れば、日本株は米国株と比べてパフォーマンスで大きな差をつけられてしまったということになります。

ただしですが、2011年から2018年のところ(赤枠部分)だけを切り取って見てみますと、日本株が米国株をoutperformしていましたので、パフォーマンスの良し悪しというのは、「どの時期を切り取るか」次第で変わってきてしまうのが実情です。

先ほどのMSCIのレポートでも「除く日本」の方が若干高いパフォーマンスとなっていましたが、個人的には「誤差範囲で大差なし」と言ってよい範囲ではないかと思います。

手数料比較

それでは、手数料を確認しておきましょう。

オール・カントリー、除く日本、それぞれ直近の運用報告書を見ていきます。

まずは信託報酬ですが、オール・カントリーが0.119%、除く日本が0.124%。

この信託報酬は目論見書でも確認することが可能です。それゆえに、この信託報酬ばかりに目がいってしまいがちなので、注意が必要です。

実際には、目論見書では把握できない、「隠れコスト」を含めて確認することが重要です。

隠れコストは、オール・カントリーが0.094%、除く日本が0.09%となっており、信託報酬と隠れコストを合計した「実質コスト」はオール・カントリーが0.209%、除く日本が0.218%と、僅かながらオール・カントリーの方が安くなっています。

両者、手数料はここまで安くなっており、その差は僅か0.01%程ですので、両者大差無しと言ってもよいレベルかと思います。

メリット比較

最後に、それぞれのメリットを整理していきましょう。便宜上、「除く日本」からいきますと、もし日本株に既に投資をしているのであれば、「除く日本」を選べば、日本株に重複して投資するのを避けることができます。

そして、二つ目は自分で日本の銘柄を選ぶことができるという点です。

投資信託では、ファンドによって選ばれた銘柄に広く投資することになりますが、「除く日本」を選べば、日本の好きな銘柄を自分で選んで投資することができます。

また日本に住んでいれば、何かと日本株の情報を取りやすいという利点を活かすことも可能です。

そしてもう一つ、日本株を個別に買えば、株主優待が受けられるということです。

投資信託では、私たち投資家が直接の株主ではありませんので、直接株主優待を受け取れることはありません。

もちろん、投資信託でも、換金できる株主優待は全て換金されて、信託財産に組み入れられる仕組みになっているようなのですが、正直その実感が湧かないと思います。

個別に買えば、その株主優待を実感できる形で受け取れるというのはメリットの一つだと思います。

ちなみにですが、株主優待の制度というのは海外ではあまり一般的ではなく、ほぼ日本特有の制度だと言えるようです。

これらが「除く日本」のメリットでしたが、一方、オール・カントリーのメリットは何と言っても、手間をかけなくて良いという点です。

日本株を分析して、自分で銘柄を選ぼうとすると、それなりに手間がかかりますので、時間の無い方でも気軽に投資できるのがオール・カントリーです。

「オール・カントリー」と「除く日本」 比較

比較した内容を整理していきますと、両者は、日本を含むか含まないかによって、投資対象の幅が変わってきます。

そして、純資産額からしますと、オール・カントリーの方に人気が集まっているようです。

パフォーマンスについては、いずれも堅調な推移となっていると思いますし、手数料についても、どちらの商品もかなりの低コストに抑えられていると思います。

以上の点では、両者で大差無しと言ってよいかと思いますが、「除く日本」のメリットとしては、日本の銘柄を自分で選ぶことができたり、株主優待を直接受けることができたりといったことがあります。

そしてオール・カントリーについては、特に何も考えなくてよいというのが最大のメリットだと思います。

投資に時間をかけられるかどうかという点こそが、オール・カントリー、あるいは「除く日本」、どちらを選ぶかの決め手になると思います。

「オール・カントリー」と「除く日本」まとめ

それでは、今回のまとめに入ります。

全世界株式はこの上なく手堅いと考えられまして、それを低コストで提供するeMAXIS Slimシリーズを選んでおけば、間違いないと思います。

オール・カントリーか「除く日本」のどちらを選択すべきかは、まずは何より、日本株の今後に期待するかどうかです。

日本株に期待するとした場合、どちらを選ぶかは、個別株を選ぶ時間が取れるかどうかになると思います。

もし時間が取れるのであれば、日本の個別株を自分で選ぶことができ、株主優待も受けられるので、「除く日本」がベターだと思います。

皆様の参考にしていただければと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました