【もう迷わない!】米国株式or全世界株式どちらを買うべきか? 全世界株式 Twitter Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2021.09.07 2020.12.26 こんにちは、Massaです。 今回は、投資信託は米国株式か全世界株式、どちらを買うべきかについてお話をしてまいります。 今回お届けする内容はこちらになります。 まず序盤では、投資信託、インデックス型、ベンチマークといった基礎知識についてオサライをしてまいります。 その後、内容に入りまして、米国株式と全世界株式を各側面からの比較をしてまいります。 それでは、内容に入っていきましょう。 目次 投資信託の基礎知識米国株式のザックリ解説全世界株式のザックリ解説これまでの米国株式・全世界株式 パフォーマンス比較全世界株式のプラス材料全世界株式のマイナス材料米国株式のプラス材料米国株式のマイナス材料米国株式・全世界株式を両方買うのはアリ?米国株式 vs 全世界株式 まとめ 投資信託の基礎知識 まずは、投資信託のおさらいになります。 投資信託とは、国内外の株式、国内外の債券、国内外のリートなど、金融資産を詰め合わせたものです。 投資信託のメリットというのは、個別の株式とは違い、一つの商品を買うだけで分散投資ができるという点です。 その中でも今回のテーマとなる米国株式や全世界株式の投資信託というのは、株式だけを詰め合わせた商品になります。 続いて、インデックス型とアクティブ型の説明になります。 インデックス型は、S&P500やMSCI ACWIなど、何らかの株価指数への連動をめざす投資信託です。 つまり、市場並みの成績を目指すものになります。 一方、アクティブ型はファンドマネージャーと呼ばれるプロが運用し、市場平均以上の成績を目指すものです。プロの手がかかるため、手数料が高くなります。 積立NISAで購入できる投資信託のうち、大半がインデックス型となります。 つまり大半の商品が、何らかの株価指数をベンチマークとして運用が行われるものになっています。 具体例にどういった株価指数がベンチマークとして使われているのか、見てみましょう。 ここでは、今回のテーマである米国株式と全世界株式のうち、積立NISAで購入できる商品に限って見ていきます。 米国株式では、S&P500が8つの商品、クリスプUSトータル・マーケットインデックスが1つの商品でベンチマークとして用いられています。 一方、全世界株式ではMSCIオール・キャップ・ワールドインデックスが8つの商品、 フッツィー・グローバル・オールキャップ・インデックスが2つの商品でベンチマークとして用いられています。 ちなみに今回、具体例を挙げてお話する場面がいくつかありますが、これらの商品群の中で特に純資産額が多く、また手数料も安くて人気の高い、eMAXIS Slimシリーズと楽天バンガードシリーズを例に挙げて解説する場面が多くありますので、ご承知いただければと思います。 それでは、ここから本題に入っていきましょう。 米国株式と全世界株式の比較をしていく上で、まずは両者のザックリとしたイメージを掴んでいきましょう。 米国株式のザックリ解説 先ほど、米国株式では2つの株価指数がベンチマークとして使われているというお話をしましたが、米国株式の中での特徴はまさに、どちらの株価指数をベンチマークとしているかで二分されます。 まず、eMAXIS Slim米国株式S&P500を含め、S&P500をベンチマークとする8つの商品は、アメリカの大型株500銘柄に投資をするものです。 500銘柄といっても、これでアメリカの時価総額の約80%をカバーするものになりますので、かなり広範囲に分散投資ができる商品になります。 一方、クリスプUSトータル・マーケットインデックスをベンチマークとするのは楽天VTIのみになりますが、アメリカの大型株から小型株までの約3,500銘柄に投資をするもので、アメリカの時価総額のほぼ100%をカバーしています。 具体的に、どのような銘柄が含まれているのかを見てみましょう。 S&P500の代表としてeMAXIS Slim米国株式S&P500と、それから楽天VTIを見比べます。 見てみますと、同じ銘柄が、同じような比率で組み込まれていることが分かります。 これほどに、両者の間には大した違いは存在しないと言うことができます。 ちなみにですが、マイクロソフトの比率が5.3%あるいは5%とありますので、例えば10万円を投資したとすると、5,300円あるいは5,000円はマイクロソフトの株を購入することを意味します。 全世界株式のザックリ解説 続いて、全世界株式を見てみましょう。 全世界株式でも2つの株価指数がベンチマークとして使われておりまして、全世界株式についても、まさに、どちらの株価指数をベンチマークとしているかで二分されます。 eMAXIS Slim全世界株式オールカントリーを含め、MSCIオールカントリー・ワールドインデックスをベンチマークとする8つの商品は、世界の大型株から中型株3,000銘柄に投資をするものです。 3,000銘柄といっても、これで世界の時価総額の約85%をカバーするものになりますので、かなり広範囲に分散投資ができる商品になります。 一方、フッツィー・グローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとするのは楽天VTを含む2つの商品になりますが、世界の大型株から小型株までの約8,000銘柄に投資をするもので、世界の時価総額のほぼ100%をカバーしています。 全世界株式についても、具体的な銘柄を見てみましょう。 MSCIオールカントリー・ワールドインデックスの代表としてeMAXIS Slim全世界株式オールカントリーと、それからフッツィー・グローバル・オールキャップ・インデックスの代表として楽天VTを見比べます。 見てみますと、ここでも、同じ銘柄が、同じような比率で組み込まれていることが分かります。 これほどに、両者の間には大した違いは存在しないと言うことができます。 そして投資先の国を見てみますと、両者とも同じような分布になっていることが分かります。 そして注目すべきは、全世界株式といいながらも、両者ともアメリカが55%以上を占めているということです。 これは経済の規模を考慮すると、これこそがバランスの取れた分散投資となるのが実情です。 このように、全世界株式を買っても、実態としては半分以上をアメリカに投資することを意味しています。 これこそが、米国株式を買うべきか、あるいは全世界株式を買うべきか、私たち投資家の頭を悩ませる種になっています。 それでは、米国株式、全世界株式それぞれにつき、これまでのパフォーマンスを見てみましょう。 過去10年のチャートを見ていきます。 これまでの米国株式・全世界株式 パフォーマンス比較 まずは米国株式です。 こちらはS&P500の価格推移を表すチャートです。過去10年で3倍近くに成長していることが分かります。 そしてこちらがCRSP US トータル・マーケット・インデックスのチャートです。S&P500とは対象とする銘柄が異なりますが、値動きはほとんど同じです。 このように過去10年、米国株式の成長は目を見張るものがあり、これこそが、米国株式に人気が集まっている要因となっています。 続いて、全世界株式です。 こちらは株価指数そのものではありませんが、MSCIオール・カントリー・ワールドインデックスに連動するETFの価格推移を示すチャートです。 米国株式ほどではありませんが、全世界株式も右肩上がりで成長しており、過去10年で2倍近くに成長していることが分かります。 ちなみにこちらは、フッツィー・グローバル・オールキャップ・インデックスに連動するETFのチャートです。 対象とする銘柄数は異なるものの、両者ほぼ同じ値動きをしています。 それではここで、米国株式と全世界株式を比較してみましょう。 こちらはそれぞれ、楽天バンガードシリーズの米国株式と全世界株式が投資対象としているETFのチャートで、配当込みのトータルリターンを表すものになります。 つまり、米国株式の楽天VTIと、全世界株式の楽天VTを比較しているに等しいと、思っていただいて結構です。 過去10年のトータルリターンとしては、米国株式が260%、全世界株式が145%と、米国株式の方が高いパフォーマンスであったことが分かります。 とはいえ全世界株式も、現在では55%以上の割合で米国株式を含んでいることもあり、十分に高いパフォーマンスを見せています。 さて、ここからはいよいよ、どちらを買うべきか考える上で、両者のプラス材料・マイナス材料について見ていきましょう。 全世界株式のプラス材料 便宜上、全世界株式から見ていきます。まず、プラス材料ですが、 一点目は、世界人口の増加に伴い、投資が必要とされるマーケットは拡大の一途を辿っているということです。 そして将来、どの国が発展しても恩恵を受けられるため、実に手堅い投資ができるという点が挙げられます。 人口の増加が投資とどう関係するのか、詳しく見てみましょう。 こちらのグラフは過去から現在までの世界人口の推移と、未来の予測を示したものです。 世界人口は2011年には70億人を突破しており、2050年には98億人にまで増加すると予測されています。 それではこちら、過去から現在までの部分に注目してみましょう。 過去から現在にかけて人口が増加してきたことを表すグラフに、世界のGDPの推移を表すグラフを重ねてみます。 すると、世界のGDPは人口の推移と同じように成長してきたことが分かります。 つまり人口が増えれば、世界経済も成長するということが分かります。 よって、人口の増加が見込まれる限り、経済は成長を続けると考えられますし、テクノロジーの進歩のために資金が必要とされるマーケットは将来に渡って広がっていると言えますので、投資が必要とされる状況は今後、拡大の一途をたどると考えられます。 ただし、将来に渡ってどの国・どのエリアが発展しているかを予測することは容易ではありません。そこで、全世界に投資をしておけば、どの国・どのエリアが発展しても恩恵を受けられるというのが、全世界株式が手堅いと考えられる理由になります。 リバランスについても詳しく見ておきましょう。 リバランスとは、投資先の状況に応じて銘柄の比率を組み換えることです。 つまり、調子の良い銘柄の比率を上げて、調子の悪い銘柄の比率を下げるという作業です。 このリバランスは、投資信託の場合は年に数回、ファンドの方で自動的に行われます。 こちらは、楽天VTの投資対象となるETF「本家VT」のファクトシートで、2011年版と2020年版になります。 投資先の銘柄については、2011年の段階では組み入れ銘柄の上位10位に入っていた銘柄も、多くは2020年には名前を消し、 この約10年で上位10位に組み入れられる銘柄は変化していることが分かります。 それに伴い、投資先の国の比率も大きく変わっていることが分かります。 2011年の段階ではアメリカの比率は43%でしたが、約10年経過した現在では55%を超えるまでに至っています。 調子が上がってきた銘柄の比率を上げ、調子の悪い銘柄の比率は下げるというリバランスの作業はファンドの方で行ってくれます。 よって私たち投資家は特に何も手を動かす必要はありません。 もちろん米国株式の投資信託でもこのようなリバランスは行われますが、あくまで米国株の中でのリバランスに限定されるため、アメリカ以外の国で調子のよい銘柄があっても組み込まれることはありません。 全世界株式の投資信託であれば世界各国を含めた中でのリバランスとなりますので、アメリカ以外の国で調子のよい銘柄があれば取り込まれますし、アメリカで調子の悪い銘柄があれば排除されます。 そういったことから、一度積立設定をしてしまえば、特に自分で保有資産のメンテナンスをする必要はないのが全世界株式です。 全世界株式のマイナス材料 続いて、全世界株式のマイナス材料を確認していきましょう。 一点目は先程も見ていただいたとおり、全世界株式も過去10年、右肩上がりで成長したものの、米国株式と比較すると見劣りしてしまうのは事実です。 また、全世界株式の投資信託は、米国株式の投資信託と比較すると、手数料が高くなります。 手数料について、eMAXIS Slimシリーズと楽天バンガードシリーズを例に見てみましょう。 手数料は直近の決算期における実績値となりまして、まずeMAXIS Slimシリーズでは、米国株式で0.163%に対して、全世界株式は0.209%と、全世界株式の方が3割弱、高くなっています。 また楽天バンガードシリーズでも、米国株式が0.209%、全世界株式が0.261%と、全世界株式の方が2割強、高くなっています。 これは、全世界株式の方が投資対象となる銘側が多いため、多くのコストがかかってしまうためです。 ・・ここまでが、全世界株式のマイナス材料に関する説明でした。 米国株式のプラス材料 続きましてここから、米国株式のプラス材料を見ていきましょう。 まず、一番大きいのは、先ほどグラフで見ていただいた通り、何といっても過去10年、株価の成長が著しいことです。 この成長が今後も続くと考えている人が米国株式を購入しています。 二つ目は、アメリカは先進国で唯一、人口の増加が見込まれる国であることです。 先ほど、「今後世界人口は増加するため、全世界株式が手堅い」というお話をしましたが、アメリカは先進国では唯一、人口の増加が見込まれる国となっています。 アメリカでは今後も移民の受け入れが多く見込まれていることが要因です。 しかも、アメリカの人口は、各年代でバランスの取れた構成となっており、当面、少子高齢化とは無縁であることが分かります。 これらの点は、アメリカの経済発展および株価の成長が今後も継続すると考えられる材料となっています。 そして3つ目は、米国企業の多くがグローバル企業であり、現在では海外売上比率が40%~50%となっていますので、新興国が成長すれば、アメリカも同じく成長することができ、株価の成長にも繋がるという見方です。 それから4つ目、これはプラス材料と言うべきか微妙なところではありますが、アメリカは世界経済の中心に位置していますので、 「アメリカがコケたら、どうせ世界中の国もコケる」、という見方から、それならば全世界株式でわざわざ高い手数料を払ったり、カントリーリスクのある新興国を入れたりせずに、米国株一本でいく、という考え方もできるかと思います。 米国株式のマイナス材料 最後に、米国株式のマイナス材料はコレに尽きると思いますが、過去10年続いてきた好調がこれからも続くかどうか分からないという点です。 米国株は実際、ボックス圏を抜け出せない暗黒時代もあったのは事実です。 積立投資は長期間購入し続けることが鉄則です。 たとえ米国株が低迷する時期があっても、ろうばい売りせずに、回復を信じて、購入し続ける強いメンタルが必要になると思います。 こちらは米国株、「S&P500」の1970年以降のチャートですが、このうち 1975年からの5年間、 そして98年からの10年間、 ボックス圏を抜け出せない暗黒時代が米国株にも有ったことは忘れてはいけません。 今後もこういった厳しい時期が再度やってくる可能性も無いとは言えないことが、唯一、米国株式を選ぶ上での懸念材料となります。 ここまで、全世界株式と米国株式それぞれのプラス材料・マイナス材料を見てまいりましたが、 「判断がつかないので両方買ってしまうのはどうか?」という点についてお話をいたします。 米国株式・全世界株式を両方買うのはアリ? これに関しては色々な意見がありますが、私は両方買うのはアリだと思っています。 最も大事なのは、全世界株式にも米国株が55%以上含まれていることを認識しておくことです。 この事を認識した上で、アメリカの比率を上げたいという目的で、米国株式を補填的に買うのは有効だと思います。 米国株式 vs 全世界株式 まとめ それでは、今回の結論・まとめに入ります。米国株の好調が続くと信じる人は米国株式を選ぶのが宜しいかと思います。ただし、低迷する時期があっても、回復を信じて継続できる強いメンタルが必要になると思います。一方、米国株が今後どうなるか確信が持てず、判断つかない人は全世界株式を選ぶべきだと思います。メンタル的にも楽ですし、好調な国の銘柄・不調な国の銘柄を自動でリバランスしてくれるので、特にメンテナンスは不要なのが全世界株式です。それから、両方買うという選択も、目的をもった上であればアリだと思います。米国か全世界かの議論には色々な意見があって正解がない一方で、投資はあくまで自己責任ということからしますと、大事なのは、自分なりの理由を持って投資先を選ぶことだと思います。
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