S&P500超え【ナスダック100】最強の投資信託は?! “PayPay投信NASDAQ100インデックス”登場 米国株式 Twitter Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2021.10.18 2021.07.07 こんにちは、Massaです。王道指数のS&P500を大きく超えるパフォーマンスを見せているのが「NASDAQ100」指数です。日本国内では、このNASDAQ100に投資できる投資信託が立て続けに登場しています。18年8月の「i Free NEXT」を皮切りに、20年3月に「NZAM・ベータ」、8月に「日興インデックス」。そして21年に入ってからも1月には「eMAXIS NASDAQ100」、そして6月には「PayPay投信」と、NASDAQ100に投資できる商品がどんどん出されています。これは、「S&P500では物足りない」、「GAFAMに集中投資したい」というニーズが大きくなっていることの表れだと見られます。そこで今回は、最強の株価指数「NASDAQ100」に連動する最強の投資信託は何かということでお伝えしていきます。 目次 NASDAQ100指数とは?NASDAQ100 インデックスファンド 徹底比較PayPay投信とは?NASDAQ100 インデックスファンド 組入れ銘柄はほぼ同じNASDAQ100 インデックスファンド まとめ NASDAQ100指数とは? それにあたってまずNASDAQ100指数とは何かですが、新興企業向けの証券取引所「NASDAQ」に上場された企業のうち、金融セクターを除いた時価総額上位100銘柄の株価を加重平均した数値です。そもそもアメリカには大きな証券取引所が主に2つありまして、一つはニューヨーク証券取引所、もう一つはNASDAQです。ベンチマークとしてよく使われるS&P500の構成銘柄は、どちらの証券取引所にもまたがっています。そして、NASDAQ市場全体の3,000銘柄の株価を表す指数が「NASDAQ総合指数」というもので、NASDAQ100指数はその中でも金融セクターを除いた上位100銘柄で構成されています。 どんなセクターがあるのかというと、テクノロジーが56%と半分以上を占めています。そして具体的な組入れ銘柄のTOP10を見てみますと、Apple, Microsoft, Amazon, Facebook, Alphabet(つまりGoogle)という、いわゆる「GAFAM」だけでNASDAQ100の時価総額の42%を占めています。ハイテクセクターの56%、そしてGAFAMの42%というのはいずれも、S&P500の倍以上の比率となっていますので、つまりNASDAQ100に投資をするということは、S&P500に投資する場合と比較して、倍以上もハイテクセクターそしてGAFAMに集中投資をすることを意味します。 その結果、これまでのパフォーマンスはどう推移してきたのか、NASDAQ100指数とS&P500のトータルリターンを比べてみましょう。S&P500は過去10年で資産が約2.3倍に増えるパフォーマンスです。しかしNASDAQ100指数はというと、なんと資産が5倍以上に増えるパフォーマンスとなっていまして、まさに破天荒と言える領域です。「では早速、NASDAQ100を買いたい!」と言っても、NASDAQ100というのは株価指数の一つですので、それ自体を購入することはできません。NASDAQ100に投資するには、NASDAQ100に連動する投資信託やETFを購入することになります。海外ETFについては別の投稿をご覧いただければと思いますが、今回はNASDAQ100に連動する投資信託を比較していきたいと思います。 NASDAQ100 インデックスファンド 徹底比較 序盤で申し上げた通り、現時点ではNASDAQ100に連動する投資信託は5本存在します。まず、設定日が2020年以前のものから見てみましょう。もっとも歴史が長い商品は、大和アセットマネジメントの「i Free NEXT NASDAQ100インデックス」で、設定日は2018年8月です。もっとも歴史が長いといっても、それでもまだ3年も経過していません。純資産額は21年6月末現在で299億円と、申し分の無い金額となっています。続いて「NZAMベータ」は、設定日は2020年3月で、純資産額は17億5,000万円となっています。純資産額については、30億円以上あれば「繰上償還」の心配が無くなるという目安のラインがありますが、この30億円に届いていないというのは心配なところではあります。「日興インデックス」は設定日が2020年8月と、こちらも若い商品になっていますが、純資産額は122億円とまずまずの資金が集まっています。 これら3つの手数料を見てみましょう。信託報酬はiFreeNEXTが0.495%、NZAMベータは0.42%、日興インデックスは0.484%。2020年に登場した2つの商品は、先発のiFreeNEXTの信託報酬をしっかりと下回る設定となっています。投資信託の手数料には信託報酬以外にも「隠れコスト」というものがありまして、これは投資信託が1年運用されてみて初めて分かるコストになります。iFree NEXTの場合は直近の決算期では0.083%。よって、隠れコストを含めた「実質コスト」は0.579%となります。NZAMベータについては21年4月に初めて運用報告書が発行されましたが、信託報酬こそi Free NEXTより安い0.042%でしたが、隠れコストが1.175%と想像を超える高さとなっていました。合計の実質コストは1.595%です。iFree NEXTより約1%も高いことなります。手数料の違いでどれ程の影響があるかと言いますと、例えば年間40万円の積立投資を20年間行ったとすると、1%の違いによって累計で数百万円の違いが出てきます。NZAMベータの手数料がこの高さでは、正直オススメできません。日興インデックスについては、設定日からまだ1年が経過していないため、隠れコスト・実質コストはまだ分かりませんが、同じく日興アセットマネジメントのNYダウに連動する投資信託では隠れコストは0.123%であったため、そこから遠からずというところではないかと推測していますが、NYダウは30銘柄であるのに対してNASDAQ100は100銘柄と投資対象が多いため、もう少し高くなるかもしれません。 さて、それではいよいよ、2021年に入ってから誕生した新しい商品を見ていきましょう。まずはeMAXIS NASDAQ100インデックス。設定日は2021年1月でありながら、純資産額は21年6月末現在で既に118億円となっていまして、後発ながら物凄い勢いで追い上げていて、日興インデックスを逆転するのも秒読みの段階です。さすがeMAXISのブランドだなというところではありますが、「eMAXIS SlimじゃなくてeMAXISかー」こう思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。 eMAXIS Slimシリーズは低コストに注力したシリーズで、”Slim”が付かないeMAXISシリーズとは、投資対象が全く同じであったとしても、手数料は雲泥の差があります。隠れコストにはあまり差が無いので、信託報酬だけ比べてみますと、国内株式では約3倍異なりますし、新興国株式でも3倍以上。先進国株式では6倍以上も異なっています。“Slim”が付くか付かないかで、ここまで違ってきますので、NASDAQ100では”Slim”が付かないeMAXISからの発売というのは残念な気もしますが、まだ競争相手が多くないため、当然と言えば当然なのだと思います。ということで、eMAXIS NASDAQ100インデックスの信託報酬は0.44%。隠れコストは1年経ってみないと分かりませんが、NYダウに連動する投資信託では0.027%ですし、そこから遠からずというところに落ち着くものと期待していますが、NYダウよりも投資対象が多い分、少し高くなるかもしれません。とは言え、蓋を開けてみたら実質コストはiFree NEXTより高いというような、皆をズッコケさせるようなことはeMAXISブランドなら可能性は低いと期待しています。 そしていよいよ、21年の6月に発売されたPayPay投信ですが、信託報酬は0.418%。隠れコストは、正直参考にできる他の商品が無いため、何とも言えません。隠れコストを含む実質コストでiFree NEXTやeMAXISを下回ってほしいところですが、こればかりは1年たってみないと正直、分かりません。 PayPay投信とは? そもそもPayPay投信って聞き慣れないという方もいらっしゃるんじゃないかと思いますので、どんな会社なのか紹介しますと、元々はアストマックス投信投資顧問株式会社という社名で、2021年3月に吸収合併によって社名変更されました。現在の社名は「PayPayアセットマネジメント株式会社」ですが、「PayPay投信」のブランド名で各方面に向けた投資商品を出しておりまして、10以上の商品があります。ただし、S&P500に連動する商品や、あるいはMSCIやFTSEといった全世界株の指数に連動する商品はラインアップとして持っていないため、これまでPayPay投信の名前を目にする機会が無かった方も多いのではと思います。 続きまして、これまでの運用成績を比べていきましょう。PayPay投信は新しすぎるので除いていますが、この基準価格の推移をもとに、こちらのグラフを作成しておりまして、eMAXISの設定日である21年1月29日にもし一万円を投資していたら、6月末時点ではいくらになっていたかを示すものです。見ていただきますと、4つの商品ともきれいに重なっていて、いずれの商品も大体11,900円に増えたという結果になっています。少なくともこの5か月の間だけ見ると、どの商品も運用成績は変わらないということがお分かりいただけるかと思います。 NASDAQ100 インデックスファンド 組入れ銘柄はほぼ同じ なぜ同じような運用成績になるのかといいますと、各商品の組入れ銘柄は、Apple, Microsoft, Amazonを中心に、TOP10は同じような銘柄に同じような比率で投資していることが分かります。なので各商品、同じような運用成績となるのは必然ではありますが、ベンチマークと同じ動きになるように、各社で細かい調整が行われています。例えばiFree NEXTは米国ETFのQQQを2.8%組み込むなど、他のファンドでは見られない動きも取られています。そしてもう一点、申し上げたいこととしては、通常は設定日から間もない商品ですと市場平均レベルからブレが出やすいのですが、eMAXISについては設定日からの5か月間、市場平均から殆どブレることなく運用されているということからしますと、今後ともしっかりベンチマークのNASDAQ100指数に連動する成績を上げていってくれるものと考えられます。 ベンチマークに連動した運用ができているかをチェックするため、騰落率も見ておきましょう。iFree NEXTについては、1か月・3か月・6ヶ月・1年でみても、殆どベンチマークと同じ騰落率となっています。日興インデックスは6ヶ月までの比較、eMAXISは3か月までの比較しかできませんが、ほぼベンチマークと同じ騰落率となっておりまして、しっかりとNASDAQ100指数に連動した運用成績を挙げられていることが分かります。少し問題なのは、NZAMベータです。ベンチマークの騰落率と比べて見ると6ヶ月で0.7%、1年では2.5%ほどの乖離が生じておりまして、市場平均並みの運用成績を挙げられていないことを意味しています。 NASDAQ100指数に連動した成績を期待している投資家の立場からすると、NZAMベータはあまり頂けない成績となっていますので、これが純資産額が伸びない、つまり資金が集まらない要因となっているのかもしれません。 NASDAQ100 インデックスファンド まとめ そんな中ですが、NASDAQ100指数への投資は、新たな商品の誕生によって大変盛り上がっています。正直もっと手数料の安い商品が出てくるものと期待していましたが、三菱UFJ国際投信も低コストに注力したeMAXIS Slimシリーズではなくて、コストが通常レベルのeMAXISシリーズから商品を出してきたのは残念ではあります。とは言え、NASDAQ100指数への投資はGAFAMなどのハイテク産業に集中投資する面白い投資だと思います。これらの選択肢の中から、もし今すぐに、投資先を決めるのであれば、やはり先発商品の「i Free NEXT」が一番無難だと思います。「NZAMベータ」は、騰落率がベンチマークと大きく乖離していることや、手数料が大変高いことから、正直オススメできません。「日興インデックス」はこれまでのところベンチマークにしっかり連動した動きとなっていますし、手数料もおそらくi Free NEXTと同じぐらいに落ち着くのではないかなとは思います。ただし、実は償還日が2030年7月と決まっています。つまり、このタイミングで運用は終了し、資金は私たち投資家に強制的に返されてしまいます。もちろん延長される可能性はありますが、償還日が決まっている商品は、長期投資という観点ではオススメできません。どの商品に投資をするか決めるまで、まだ時間を取れる人であれば、「eMAXIS」や「PayPay投信」の手数料がどの程度に落ち着いていくか、様子見をするのはアリだと思います。様子見をしている時間は勿体ないということであれば、eMAXISに投資してみるか、あるいは無難に先発商品のiFree NEXT、あるいは米国ETFのQQQを選ぶのが良いと思います。繰り返しになりますが、NASDAQ100指数は実に面白い投資先だと思います。ご自身に合った手法で投資を検討していただければと思います。
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