【憧れ!!高配当】SBI・V・米国高配当株式インデックスファンドを解説!!

こんにちは、Massaです。

この度、SBI・Vシリーズが誕生します。

低コストで人気のあるSBIバンガードS&P500インデックスファンドは「SBI・V・S&P500インデックスファンド」に名前を変えまして、

2021年6月29日、新たに「SBI・V・全米株式インデックスファンド」と「SBI・V・米国高配当株式インデックスファンド」の2つの商品が設定されます。

いずれも低コストを前面に押し出した商品です。

今回は、このSBI・V・米国高配当株式インデックスファンドは買うべきかどうか、について解説をしていきます!

結論としては、「米国高配当株への投資を少額から始めてみたい!」という方、あるいは、「意図した金額をキッカリ投資したい」という方には合っている商品だと思います。

このSBI・V・米国高配当株式インデックスファンドがどういう商品なのかといいますと、こちらは目論見書の抜粋になりますが、「FTSEハイディビデント・イールド・インデックスに連動する投資成果を目指します」とありますので、これが連動を目指すベンチマークとなる株価指数です。

そして、「バンガード・米国高配当株式ETFを実質的な主要投資対象とします」とありますが、これがどういうことかと言いますと、このSBI・V・米国高配当株式インデックスファンドという投資信託はファンドオブファンズ方式という形態をとっていまして、アメリカのETFつまり上場投資信託に投資することで、アメリカの株式市場に投資をしようというものです。

そしてこのバンガード・米国高配当株式ETF(通称:VYM)こそがFTSEハイディビデント・イールド・インデックスをベンチマークとしているため、当然、SBI・V・米国高配当株式インデックスファンドもFTSEハイディビデント・イールド・インデックスがベンチマークになるというわけです。

なのでVYMというETFがどんなものなのかという点が気になってきますが、そもそも米国の高配当株式ETFにはメジャーなものが3つありまして、それは「VYM」「SPYD」「HDV」の3つです。

3つの高配当株ETFの概要をサッと解説しますと、まず「VYM」はFTSEハイディビデント・イールド・インデックスをベンチマークとしていまして、アメリカの高配当企業・約400銘柄で構成されています。

経費率は0.06%と大変安くなっていて、直近1年の分配金利回りは2.81%とまずまず高くなっています。

5年間のトータルリターンは11.4%。10年間のトータルリターンは12.04%と、安定して高いパフォーマンスを見せています。

続きまして「SPYD」は、S&P500ハイディビデント・インデックスをベンチマークとしていまして、王道指数であるS&P500の構成銘柄のうち、高配当利回り上位80銘柄に投資するETFとなっています。

経費率は0.07%と安くなっていまして、直近1年の分配金利回りは4.75%と高く、直近5年間のトータルリターンは8.91%となっています。

設定日が2015年10月とまだ新しいETFですので、10年間の実績はまだありません。

3つ目の「HDV」は、「モーニングスター・ディビデンド・イールド・インデックス」をベンチマークとしていまして、財務の健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことができると認められた、利回り上位約75銘柄で構成されています。

経費率は0.08%と安く、直近1年間の分配金利回りは3.61%と高くなっていまして、10年間のトータルリターンは10.26%と高いパフォーマンスを見せています。

このように並べてみますと、トータルリターンを5年で見ても、10年で見ても、この中でもVYMは特に高いパフォーマンスを見せています

ということで、投資先としてこのVYMを選択すること自体は間違いではなさそうです。

尚、SBI・V・米国高配当株式インデックスファンドはVYMに投資する投資信託であるため、早くも「SBI・VYM」という愛称で呼ばれています。

ETF・投資信託の比較

ここまで、散々ETFの話をしてまいりましたが、「そもそも投資信託でなくて、ETFを直接買うのはどうなんだ?」という疑問が出てくると思いますので、手数料や・その他の特徴を比較していきましょう。

まず売買手数料はETFの場合はもれなくかかってきまして、0.495%。投資信託はかかるものもありますが、SBI・VYMの場合は無料となっています。

為替手数料は、安くできる方法はいくつかあるのですが、米国ETFを購入する上では基本、1ドルあたり25銭がかかります。投資信託の場合は円建てになりますので、為替手数料はかかりません。

信託報酬は、VYMは0.06%。SBI・VYMは0.0638%に加えて、投資対象であるVYMの報酬が0.06%、そして「隠れコスト」がかかってきます。この隠れコストは、1年経ってみないと分からないので、現段階では何とも言えません。

分配金については、VYMの場合は年に4回受け取ることになっていまして、SBI・VYMの場合は受取か再投資を選ぶことができます。

※積立設定の段階で選べる。

分配金は受け取る度に20.315%の税金がかかります。もし再投資することにすれば、税金を取られることなく、しかも税金が引かれる前の金額を再投資することができますので、長期の資産形成には再投資の方が有利です。

しかしながら、VYMはそもそも分配金収入を得ることを目的としたファンドです。

分配金を再投資して効率よく資産形成をしようということであれば、そもそもVYMではなくて、長期の値上がりに期待する投資信託を購入するのがコンセプトに合致しています。

では、「SBI・VYMの存在意義って何なの?」と思ってしまうかもしれませんが、一つ忘れてはならないこととして、ETFの購入は株数指定で行う一方、投資信託は金額指定で行います。

こちらはVYMの注文画面で、株数を指定して購入します。現時点での価格で購入しようとすると104ドル34セントの倍数単位で購入することになりますので、例えば3株購入しようとすると、仮に為替を110円とした場合、34,432円となります。

例えばもし、4万円を投資に回したいと考えていた場合でも、5,600円ほどは端数となってしまうのがETFのデメリットの一つです。

しかし投資信託は金額指定で購入することになりますので、ETFのように端数が出ることはなくて、意図した金額をキッカリ投資することができます。また投資信託は、例えば100円といった少額からの投資をすることも可能です。

なので、「どうしてもVYMに投資をしたい。金額指定や少額での投資がしたい」という方には、SBI・VYMを活用する価値があると思います。

値上がりに期待する指数との比較

もしも、投資の目的が分配金を得ることではなくて、長期の資産形成を目的としているのであれば、高配当の株価指数でなくて、寧ろ配当は控え目で、値上がりに期待する株価指数に投資した方がよいでしょう。

候補となるのは、アメリカの大型株500銘柄を対象とする「S&P500」、あるいは、アメリカの大型株から小型株・約3,500銘柄を対象とする「CRSP US Total Market Index」。

このどちらかに連動するファンドを選択するのが、長期の資産形成という目線ではベターだと言えます。

こちらは米国ETFでの比較になりますが、直近10年のトータルリターンを比較しています。

S&P500に連動するVOO、そしてCRSP US Total Market Indexに連動するVTIはいずれも10年間で290%ほどのトータルリターンとなっていますが、FTSEハイディビデント・イールド・インデックスに連動するVYMは224%にとどまっています。

ここからも分かるように、長期の資産形成を目的としているのであれば、高配当のETFではなく、値上がりが期待できるS&P500やCRSP US Total Market Indexに連動するファンドに投資をするのが正解だと考えられます。

配当・分配金が低いのは悪いことではない

なぜ、このように長期で見るとパフォーマンスに差が出るのかといいますと、VYMは分配金利回りが高いため、その分、再投資をしようとしても、多くの税金を取られた後の分配金を再投資することになっています。

ちなみにですが、成熟した企業ほど配当を出すことを優先しますが、新興企業ほど配当は控え目にして、自社の成長のために資金を投じるのが通例となっています。

これは成熟した企業は更なる成長を遂げるのが容易ではないため、配当金を多く出すことで株主に報いようとしますが、

一方、新興企業としては、高い配当を出すことよりも資金を自社の成長のために使うことを重視します。これは、会社が成長することの方が結果的に株主に報いることになるという考え方から来ています。

VOOやVTIには更なる成長を目指す新しい企業も多く含まれるため、分配金利回りは低くなっていますが、これは決して悪いことではありません。

先発商品「楽天VYM」との比較

VYMに投資する投資信託としては、楽天・米国高配当株式インデックスファンド(通称:楽天VYM)という先発の商品がありますので、比較をしてみましょう。

売買手数料や為替手数料は両者ともかかりません。

楽天VYMの信託報酬は0.132%、投資対象の報酬0.06%、隠れコストは直近の決算期で0.098%、合計の実質コストは0.29%となっています。

これに対してSBI・VYMは、信託報酬0.0638%、投資対象の報酬0.06%、隠れコストは1年経ってみないと分かりませんが、信託報酬は楽天VYMの半分ほどになっていますので、大変低コストな商品であると考えられます。

高配当株投資の判断フロー

ということで、どのファンドに投資をするか判断をする流れは、次のようになると思います。

まず、投資目的が、長期の資産形成なのか、それとも目先の分配金収入なのかです。

もし、長期の資産形成が目的なのであれば、S&P500やCRSP US Total Market Indexに連動する投資信託に投資するのがベターです。具体的な商品として、SBI・V・S&P500eMAXIS Slim米国株式 S&P500、あるいは、SBI・VTI楽天VTIなどがあります。

もし分配金を得ることが目的であるならば、手数料の安い高配当株ETFが基本になると思いますが、「高配当株にどうしても金額指定で購入したい」、あるいは、「高配当株に少額から投資をしたい」ということであれば、VYMに投資をする投資信託を買うのはアリだと思います。

その中でも、おそらく楽天VYMよりもSBI・VYMの方が手数料は安くなると思われます。ただし、SBI・VYMというライバル商品が出てきたことで、楽天VYMも手数料を下げてくる可能性はありますので、正直、1年ぐらい様子見をしてもいいかなとも思います。

繰り返しになりますが、VYMは分配金収入を得ることを目的としたETFです。

長期の値上がりに期待して資産形成を図るのであれば、S&P500やCRSP US Total Market Indexに連動する投資信託を選ぶべきです。

投資の目的をよく検討していただきまして、最適なETFや投資信託を選んでいただければと思います。

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