【業界最安】SBI・V・全米株式インデックスファンドを解説!! スイッチは待って!!

こんにちは、Massaです。

この度(2021年6月末)、SBI・Vシリーズが誕生します。

低コストで人気のあるSBIバンガードS&P500インデックスファンドはSBI・V・S&P500インデックスファンドに名前を変えまして、2021年6月29日、新たに「SBI・V・全米株式インデックスファンド」と「SBI・V・高配当株式インデックスファンド」の2つの商品が設定されます。

いずれも低コストを前面に出した、非常に競争力のある商品です。

今回は、このSBI・V・全米株式インデックスファンドは買うべきかどうか、について解説をしていきます!

結論としては、すでに他の投資信託で米国株に投資している方については、すぐにスイッチすることはオススメできませんが、21年6月18日の金融庁の発表で、SBI・V・全米株式インデックスファンドも積立NISAの対象にしっかりと含まれたこともあり、今後注目の商品になるかと思います。

ところでSBI・Vシリーズの「V」って何なのかと言いますと、世界最大の運用会社であるバンガード社の「V」です。

SBIアセットマネジメントの投資信託は、バンガード社が販売するETFを通じて株式市場に投資する商品が多くありますが、バンガード社が日本から事業撤退することとなり「バンガード」の名前を継続使用することが難しくなったため、「V」とすることにしたのだそうです。

名称の改定と新シリーズの立ち上げに伴いまして、今回、米国株式市場に低コストで投資できる2つの商品を新たに発売しました。

しかもこのSBI・VシリーズはSBI証券限定での発売となりまして、楽天証券やマネックス証券、その他の証券会社では購入することができないこととなっています。

この度、SBI証券がこの低コストのシリーズラインアップを武器に、ライバル証券会社に一気に差をつけにかかってきた形です。

これまで、SBIバンガードS&P500インデックスファンドを楽天証券では購入することができず、「楽天カード決済で楽天ポイントをゲットすることができない!」と残念がる声も多かったのですが、これも今回のSBI・Vシリーズの発売に向けた布石だったということが明らかになりました!

商品概要(SBI・V・全米株式インデックスファンド)

さて今回取り上げるのは、このSBI・Vシリーズの中でも新たに発売されるSBI・V・全米株式インデックスファンドです。

この商品は名前の通り、全米に広く分散投資をすることができる商品で、アメリカの運用会社・バンガード社が販売する「本家VTI」に投資することで、全米の株式市場に投資をしようというものです。

なので、SBI・V・全米株式インデックスファンドは、「SBI・VTI」という愛称が早くも付けられています。

S&P500との比較

そもそも米国株式でベンチマークとして使われる株価指数は主に2つありまして、一つは「CRSP US Total Market Index」、そしてもう一つが「S&P500」です。

両者の違いを簡単に解説しますと、CRSP US Total Market Indexの方は、アメリカの大型株から小型株、約3,500銘柄を対象としていまして、これでアメリカの時価総額のほぼ100%をカバーしています。この指数に投資できる投資信託としては、このSBI・VTI以外にも、楽天全米株式インデックスファンド(通称:楽天VTI)があります。

一方のS&P500は、アメリカの大型株・約500銘柄を対象としていまして、アメリカの時価総額の約80%をカバーしています。具体的な投資信託を挙げますと、「SBI・V・S&P500」や「eMAXIS Slim米国株式S&P500」などがあります。

それぞれのベンチマークにおけるパフォーマンスはこれまでどうだったのか、米国ETFでもって比べてみたいと思いますが、ここではCRSP US Total Market Indexに連動する「VTI」、S&P500に連動する「VOO」それぞれ10年間のトータルリターン並べてみますと、グラフはほぼ重なっていて、殆ど両者に差はないことが分かります。

というのも、両者の組入れ上位10銘柄を見てみても、Apple,  MicroSoft, Amazon, Alphabet(Google), Facebookなど、日ごろよく名前を耳にする銘柄が上位を占めているのは、どちらも同じだからです。

ですが、VTIはおよそ3,500銘柄に広く分散投資しているので、その分上位10銘柄が占める割合は低くなっています。

ライバル商品「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」

ということで、SBI・VTIは、全米に大変幅広く投資ができる投資信託です。

この全米3,500銘柄に広く投資できる投資信託としては、申し上げている通り、既に「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」という先発の商品があります。

楽天VTIはアメリカの運用会社・バンガード社が販売しているETF「本家VTI」に投資することで、全米の株式市場に幅広く投資ができる商品です。

この米国ETFであるVTIに投資する形態というのは、今回発売されるSBI・VTIも全く同じとなっておりますので、期待される運用成績はハッキリいって同じになります。

では、どこで両者に違いが出てくるのかと言いますと、それは主に手数料です。あとは、証券会社毎に設定されているポイント還元率も関係してきます。

SBI証券や楽天証券では、保有額に応じてポイント還元を受けることができます。

手数料・ポイント比較

ということで、手数料や、保有額に応じてもらえる保有ポイントを比較してみましょう。

SBI・VTIの信託報酬は破格の0.0938%。信託報酬で0.1%を下回るというのは、もの凄い低コストです。楽天VTIの信託報酬は0.132%。

投資対象の報酬というのは、両者ともバンガード社の本家VTIに投資をすることで全米の株式市場に投資するものですから、そこでも報酬が発生しまして、0.03%。

そして隠れコストというのは、1年が経過して運用報告書を見てみないと分からないものであるため、ここは一旦空欄としましょう。楽天VTIの方は、この隠れコストは0.047%。

よって実質コストは、SBI・VTIについては現段階では分からずですが、楽天VTIの実質コストは0.209%です。

そして保有額に応じて保有ポイントがもらえまして、これは現金と同じように使うことができますし、またこのポイントを使って投資することもできます。なので、これも併せて考えるべきです。

SBI証券では商品毎に還元率が決められていまして、SBI・VTIの還元率は0.0242%。楽天VTIは0.05%です。

ですので、保有ポイントを差し引いた「実質手数料(※)」は、楽天VTIの場合は0.159%となります。

※勝手な造語につき、覚えなくてOKです。

楽天証券では、保有ポイントは商品にかかわらず0.02%ですので、実質手数料は0.189%となります。

ちなみにS&P500に連動する投資信託の場合はこのようになっています。

SBI・V・S&P500は実質コストで0.113%。保有ポイント0.0242%を差し引きますと、0.0888%。

eMAXIS Slim米国株式S&P500は実質コストが0.141%。保有ポイント0.0374%を差し引きますと0.1036%です。

この現段階では分からないSBI・VTIの隠れコストが仮にSBI・V・S&P500と同じく0.019%だったとしたら、実質コストは0.1428%。保有ポイントの0.0242%を差し引きますと、「実質手数料」は0.1186%となります。

更にありがたいことに、SBI証券や楽天証券では投資信託の購入でクレジットカード決済をしますと、クレジットカードのポイントをゲットすることができます。

SBI証券で三井住友カードで決済すると0.5%が還元されまして、楽天証券では楽天カード決済をすると1%のポイント還元を受けることができます。

では、VTIに投資をするのであれば、どの投資信託とどの証券会社の組合せが最もお得なのでしょうか、シミュレーションをしていきましょう。

20年間のリターンをシミュレーション

今回は楽天証券のシミュレーションサイトを使っていきます。

シミュレーションの条件としては、月々50,000円の積立てを20年間行うものとします。

そして米国株式なので年7%のリターンがつくものとしますが、ここには手数料や保有ポイントを足し引きした期待リターンを入れていきます。

ケース1はSBI証券でSBI・VTIを購入するケースです。

米国株7%のリターンから手数料0.1428%と保有ポイント0.0242%を足し引きしますと、期待利回りは6.8814%です。

この条件でシミュレーションしますと、20年後、2,567万円の資産ができていることになります。

投資額は毎月50,000円ですので、20年間累計では1,200万円となります。

SBI証券で三井住友カード決済をすると0.5%の還元がありますので、クレジットカードポイントとして6万円が還元されます。

ですので、実質的な投資額は1,194万円となります。

1,194円が2,567万円に増えるわけですから、20年間のリターン率は115%となります。

ケース1はSBI証券でSBI・VTIを購入するケースです。米国株7%のリターンから手数料0.1428%と保有ポイント0.0242%を足し引きしますと、期待利回りは6.8814%です。

この条件でシミュレーションしますと、20年後、2,567万円の資産ができていることになります。

投資額は毎月50,000円ですので、20年間累計では1,200万円となります。

SBI証券で三井住友カード決済をすると0.5%の還元がありますので、クレジットカードポイントとして6万円が還元されます。

ですので、実質的な投資額は1,194万円となります。

1,194万円が2,567万円に増えるわけですから、20年間のリターン率は115%となります。

最後のケース3は、楽天証券で楽天VTIを購入する場合です。

ケース2から変わる点としては、楽天証券の場合、保有ポイントが0.02%と低くなり、期待リターンは6.811%です。20年後の資産額は2,546万円となります。

楽天証券の場合、何と言ってもクレジットカードポイントで1%が還元されます。

これを考慮しますと、1,188万円が2,546万円に増えるわけですから、20年間のリターン率は114.3%です。

3つのケースをまとめますと、115%、114%、114.3%と、ケース1のSBI証券でSBI・VTIを購入するケースが最もリターンが良いことになります。

とは言え、隠れコストの0.019%というのは仮で置いただけですし、正直、どのケースもそこまで変わらないというところからしますと、今、焦ってSBI・VTIに手を出さなくてもいいと思います。

特にこのライバル商品の楽天VTIに投資している人は、今すぐにSBI・VTIに乗り換える必要はないと思います。その理由は3つです。

・一つ目はSBI・VTIの隠れコストが分かっていないということです。隠れコストはおよそ1年が経ってみて初めて明らかになるコストですので、現段階ではハッキリしていません。

・二つ目は楽天VTIが手数料を下げてくる可能性があるという点です。これまで全米株式に投資できる投資信託は楽天VTIの独壇場でしたが、SBI・VTIというライバルが加わったことによって、競争の原理が働いて、手数料を下げてくる可能性は十分に考えらえます。

・そして三つ目として、楽天VTIは21年の2月からレンディングという取り組みを開始していまして、パフォーマンスが上がる可能性があります。

レンディングというのは証券会社に有価証券を貸し出すことで品貸料を得るスキームのことで、これによってファンドとしてのパフォーマンスを上げようというものです。

ただし、これもやはりもう1年ぐらい経過を見てみないと、この成果がどれぐれいなのかは分かりませんので、やはりもっと先行きを見守りたいところです。

SBI・V・全米株式インデックスファンド(SBI・VTI) まとめ

ということで、「SBI・VTIを買うべきかどうか」、今回の結論としては、

・SBI・VTIの隠れコストが明らかになるまで待とう

・楽天VTIが手数料を下げてくるかを見よう。

・楽天VTIのレンディングの効果がどれほどかを見よう

ということで、SBI・VTIに手を出すのは1年間、様子を見てからにするのが良いと考えていますので、参考にしていただければと思います。

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