【大手ネット証券を比較】お得に積立投資できる証券会社は? 証券口座 Twitter Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2023.03.15 2022.05.01 今回は、証券会社各社の特徴やポイント還元サービスについて解説します。そして、クレカ決済のポイント還元や投資信託保有ポイントの還元を考慮したときには、どの証券会社で投資をしていくのが最もお得になるのか、シミュレーションを交えて解説していきます。 証券会社を選ぶ上での着眼点としては、①クレジットカード決済で貰えるポイント、②投資信託の保有額に応じて貰えるポイント、そして、③ポイントの貯まり方や使い道、といったところになります。 目次 クレジットカード決済でもらえるポイント楽天証券のクレカ決済ポイントSBI証券のクレカ決済ポイントマネックス証券のクレカ決済ポイント投資信託の保有でもらえるポイント楽天証券の投信保有ポイントマネックス証券の投信保有ポイントSBI証券の投信保有ポイントポイントの貯まり方と使い道楽天証券のポイントSBI証券のポイントマネックス証券のポイント利益の違いをシミュレーションまとめ クレジットカード決済でもらえるポイント まずクレジットカード決済で貰えるポイントについて解説します。初めての方もいらっしゃると思いますので少し丁寧に解説していきますと、投資をするにあたっても日頃のお買い物と同じようにクレジットカードで投資信託を購入するのが今や常識になりつつあります。手堅い資産形成をする上では、投資信託を毎月毎月購入していくことになりますが、従来の流れとしては、証券口座に現金をチャージして、その現金を毎月投資に回すというのが通常の流れだったのですが、クレジットカード決済ができるようになってからは引き落とし先の銀行口座にさえ現金があれば投資ができるような仕組みになりました。しかもクレジットカード決済は店頭やネットショップなどでお買い物をする時と同じように、ポイント還元を受けることができますし、そのポイントを投資に回すことも可能です。ではこのクレジットカード決済で投資をしたときのポイント還元率というのは、証券会社によって異なっていますので、詳しく見ていきましょう。 楽天証券のクレカ決済ポイント まず「楽天証券」はクレジットカード決済による投信積立の先駆け的な存在となっていまして、「楽天カード」で月5万円まで投資信託を積立購入できる仕組みによって多くの顧客を集めてきました。楽天カードは年会費が無料である上に、楽天カードで投資信託を積立注文すると、日用品などのお買い物と同様に1%の楽天ポイントの還元を受けることができていました。通常、投資というのは年間5%から7%程度の利益を狙うものですので、その中で1%の利益が確実に得られるというのは、非常に大きな意味合いがあります。しかもそこで得られた楽天ポイントや楽天経済圏で得られたポイントを投資信託の購入に充てることができまして、このポイント投資においても先駆け的な役割を果たしてきました。しかし残念ながらその楽天証券も、2022年9月の購入分からはクレジットカード決済によるポイント還元率が改悪されることが決まっています。筆者が推しているような低コスト商品を買う場合は、1%だったものが0.2%に下がることが決まっていまして、多くの投資家から残念がる声が寄せられています。ただし2022年6月から「楽天CASH」というサービスが始まる予定となっていまして、投信積立もできるようになります。 仕組みとしては、楽天カードから楽天CASHにチャージした金額に対しては0.5%のポイント還元が受けられることになりますので、この流れで投信積立をすれば、キャンペーンを除いた通常時では0.5%のポイント還元は受けられることになります。楽天CASHの利用に関しては、また案内が送られてくるそうなのですが、正直使い勝手がどうなのか今の段階では分かっていませんので、楽天証券でのクレジットカード決済によるポイント還元は0.2%になるという心構えでいた方が良いと考えられます。 SBI証券のクレカ決済ポイント 続いて「SBI証券」ですが、SBI証券は「三井住友カード」で投信積立ができる仕組みを2021年の6月から導入しました。このタイミングで始まった三井住友カード(NL)は、一般カードならば年会費無料、ゴールドカードでも年間100万円の利用を一回でも達成すれば、年会費は永年無料となりますので、なかなか使い勝手がよいカードとなっています。プラチナカードについては年会費が33,000円と高額ですので、もともと使っている人はいいですが、わざわざこの投資のために作るというのは本末転倒かと思います。ポイント還元率は一般カードだと0.5%、ゴールドカードだと1%、プラチナカードだと2%となっています。このゴールドカードの1.0%還元というのは、無理なく年会費を永年無料にできる人にとってはなかなかお得なカードであるとして、注目を集めています。 マネックス証券のクレカ決済ポイント 続いて「マネックス証券」ですが、2022年の2月からクレジットカード決済による投信積立ができるようになりました。年会費については、初年度は無料で、翌年以降は550円となっていますが、投信積立を含めて年間1回以上の利用があれば翌年の年会費は無料となりますので、実質「年会費は無料」と思ってもらって問題ありません。そして注目すべきは、ポイント還元率です。マネックスカード決済によるポイント還元率は1.1%となっていまして、一般カードで1%を超えてきたのは業界初だということで注目を集めています。もちろん、いつまで続くかは分かりませんが、今のところ一般カードとしては業界最高の還元率となっています。それから念のためですが、クレジットカード決済の場合は楽天カードや三井住友カードの場合は毎月1日が買付日となっていますが、マネックスカードの場合は毎月24日が買付日となります。もちろん1日なのか24日なのかによって購入価格は多少変わってきますが、どちらが良い・悪いということはありませんので、そこまで気にする必要はないものと考えられます。ということで、クレジットカード決済によるポイント還元率でみますと、現段階ではマネックス証券が他社をリードをしていると言えます。 投資信託の保有でもらえるポイント では着眼点の2つ目。投資信託の保有額に応じて貰えるポイントについて見ていきましょう。 楽天証券の投信保有ポイント 楽天証券では2021年8月のハッピープログラムの改定に伴いまして、投資信託の保有ポイントが大きく改悪されました。 例えばeMAXIS Slimシリーズの商品では0.048%であったものが0.036%に改悪されました。それでも、例えばもし1,000万円分を保有していたとしたら、年に3,600円分のポイントを貰えていたのですが、2022年4月末からは更に改悪されまして、投資信託の保有額が一定の額に到達した段階でのみ、ポイントが貰えるという仕組みに代わりました。 こちらの表によりますと、各ステップで貰えるポイントを全て合計すると2090ポイントになりますので、投資信託をどんなに多く積み上げていったとしても、2090ポイントを受け取る以外は、投資信託の保有によるポイントは一切貰えないということを意味します。 マネックス証券の投信保有ポイント 続きまして、先にマネックス証券から解説しますと、これまでオススメしてきたような低コスト商品については、ほぼ一律で0.03%となっています。「SBI・Vシリーズ」や「SBI雪だるまシリーズ」はゼロ%となっていますが、大方の商品について一律で0.03%と考えてもらって問題ありません。 SBI証券の投信保有ポイント 続いてSBI証券については、2022年2月に若干の改悪はあったものの、大方0.02%以上のポイント還元率は維持しています。SBI証券の場合は、このポイント還元率は投資信託の商品毎に細かく設定されていまして、低コスト商品であれば大方0.02%~0.05%となっています。 例えば「eMAXIS Slim全世界株式」であれば、保有ポイントの還元率は0.042%ですので、投資信託を1,000万円分保有していたとしたら、年に4,200ポイントが貰えることになります。 ちなみに私たちが買うべき低コスト商品について保有ポイントの還元率をまとめるとこのようになります。代表的な商品をいくつか挙げてみますと、「eMAXIS Slimシリーズ」であれば、マネックス証券は0.03%に対してSBI証券は0.04%前後と少しお得になっています。「SBI・Vシリーズ」や「SBI雪だるまシリーズ」については、マネックス証券はゼロ%であるのに対して、SBI証券は0.02%強のポイントを還元してくれます。そもそもSBI・Vシリーズについては「S&P500」以外はSBI証券限定での販売となっていますので、その点にも注意が必要です。そして「楽天バンガードシリーズ」については、SBI証券では0.05%が還元されますので、SBI証券の優位性が更に大きくなります。 このように見ていきますと、投資信託の保有額に応じたポイントの還元率はSBI証券が一番リードしていて、マネックス証券も僅差で続いて、楽天証券はだいぶ後退している。そんな構図になっています。 ポイントの貯まり方と使い道 続きまして、少し見落としがちなポイントの貯まり方や使い道を確認しておきましょう。 楽天証券のポイント これについてはやはり、楽天経済圏を持つ楽天証券が頭一つ抜けているかなという具合です。楽天証券の場合は投資やお買い物で楽天ポイントが貯まって、その楽天ポイントを使って投資をすることも可能ですし、もちろんお買い物で使うことも可能です。楽天経済圏を積極的に活用している人はポイント還元率も大きくなりますので、お買い物と投資の相乗効果が大きくなる仕組みが一番整っているのは楽天証券だと言えます。 SBI証券のポイント SBI証券については、クレジットカード決済で還元されるのはVポイント。投資信託の保有で還元されるのはTポイントです。Tポイントはご存知の通り、投資以外でもお買い物や飲食などで広く受け取ることができまして、楽天証券と同様に投資にもお買い物にも利用することができます。Vポイントは、投信積立のクレジットカード決済の他、お買い物などでも三井住友カードで決済をすると受け取ることができますし、主要なコンビニやマクドナルドでの決済に利用すると5%の還元を受けることができます。現状、Vポイントは投資信託などの購入に充てることはできませんが、2022年の夏頃にはシステムが整って、投資信託も購入できるようになります。なので、SBI証券においても投資でポイントが貰えて、ポイントを使って投資をするという好循環の中で資産形成ができるようになります。 マネックス証券のポイント そして少しだけポイントの使い勝手が悪いのがマネックス証券です。今のところマネックスポイントは投資信託の購入に充てることができないのが現状です。 ただしマネックスポイントは国内株式を購入する際の手数料に充当することはできますし、あるいはdポイントやAmazonギフト券の他、利便性の高いものに交換することができますので、お買い物や各種サービスで利用するには困らないものと考えられます。どうしてもマネックスポイントを投資信託の購入に充てたいという場合には、TポイントやPontaポイントに交換すれば、それをSBI証券で投資信託の購入に充てることは可能です。ただ、マネックス証券としてもそのような使い方をされては売上を流出させてしまう一方ですので、いずれマネックスポイントは投資にも充てることができるように整備されるのだろうと予想されます。 利益の違いをシミュレーション さてここまでポイント還元の仕組みを会社ごとに見てきましたが、結局お得に投資ができるのはどの証券会社なのか、シミュレーションを通じて見ていきましょう。比較するパターンは4つです。「楽天証券×楽天カード」「SBI証券×三井住友カード(NL)」「SBI証券×三井住友カード(NL)ゴールド」「マネックス証券×マネックスカード」。シミュレーションの条件としては、投資期間は20年間。年間の投資額は積立NISAを想定して40万円。リターンは年間5%がつくものとします。投資する商品は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と仮定しますので、信託報酬や隠れコストを含めた保有コストは年間0.175%とします。 この条件で投資と運用を行った場合で、20年が経過した時点の資産がどうなっているかを見ていきます。 計算は上表のように行いました。例えばSBI証券・三井住友カード(NL)の場合でいきますと、クレカ決済ポイントは0.5%。投信保有ポイントはeMAXIS Slim全世界株式オールカントリーの場合は0.042%。一方で、信託報酬やその他、保有に際して年間0.175%の手数料がかかることを考慮します。1年目に投資した40万円は、年間5%のリターンが付くとすると、投資開始の20年後には100万円。2年目に投資40万円は、その19年後には96万円。と、このように20年目に投資した分までを足し合わせますと、投資開始から20年が経過した時点では保有額は1,329万円に及びます。20年間の累計で800万円を投資したわけですが、クレカ決済で還元された4万円と投資信託の保有で還元された5万円を差し引くと、実質的な投資額は791万円です。791万円が1,329万円に増えたということは、リターンはプラスの67.96%ということになります。 同じ要領で他のパターンも計算しますと、ポイント還元も考慮した実質的なリターンはご覧の通りとなります。おそらくパーセントで見るよりも、金額の方で見てもらった方が分かりやすいかと思います。僅差ではありますが、最もお得になるのはSBI証券・三井住友カードNLゴールドのパターンで、787万円で800万円相当の投資ができることを意味します。次いでマネックス証券・マネックスカードであれば788万円で800万円相当の投資ができて、SBI証券・三井住友カードNLであれば791万円で800万円相当の投資ができるということです。こうやって見ていきますと、楽天証券×楽天カードだけは少し残念なシミュレーション結果となっています。 まとめ シミュレーション結果やその他の情報も含めて表にするとこのようになります。ポイントの貯まり方や使い勝手、そして実質的なリターンを鑑みますと、「SBI証券×三井住友カード(NL)ゴールド」がベストな選択になります。ただしこれは、ゴールドカードの年会費5,500円を無料にできた場合の話です。ゴールドカードは年間100万円の利用(投信積立は含まず)を一回でも達成すれば年会費が永年無料となりますので、これを無理なく達成できるならばゴールドカードを使うのがベストですが、無理なようであれば一般カードでも問題ないと考えられます。マネックス証券については実質的なリターンも申し分ありませんが、今のところポイントの使い道に少し問題があります。ただ、いずれマネックスポイントも投資に回せるよう整備されるものと期待はしてもよいでしょう。それから、クレカ決済ポイントの1.1%という還元率が今後もずっと続くとは考えない方が無難ですが、これから投資を始める方であれば「マネックス証券×マネックスカード」は有効だと考えられます。楽天証券についてはポイント還元率が改悪されることとなって、シミュレーション上の実質的なリターンは悪くなっていますが、楽天経済圏というものがある以上、ポイントの使い勝手はやはり高いですし、日経新聞を無料で読めるサービスで毎月4千円を節約できる特典は助かっている人も多いはずです。なので、どの証券会社がイイと言い切ることも難しいというのが現状であり、正直どこを選んでも大きな間違いにはならないものと考えられます。これから新たに証券口座を開設する場合には、自分なりの理由を持って選んだのであれば、それが正解と言えるでしょう。皆さんの参考にしていただければと思います。
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