【初心者向け】eMAXIS Slim 米国株式 S&P500の強さを解説!! 衝撃の手数料 米国株式 Twitter Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2021.10.28 2021.07.18 こんにちは、Massaです。投資先として大変人気が高い米国株式の株価指数「S&P500」。このS&P500に投資する投資信託「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の最新情報が発表されまして、激安だった手数料が更に激安になりました。「手数料ってそんな大事なの?」と思われるかもしれませんが、手数料こそ私たちの将来の資産額を決める大変重要なポイントです。なので今回、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」がどれだけスゴイ商品で、それは何故なのかということを分かりやすく解説していきます。 目次 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) もくじベンチマーク「S&P500」米国株式 vs 全世界株式S&P500に投資するにはインデックス型の投資信託は手数料が命eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 激安の手数料ライバル商品「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」パフォーマンスを比較(eMAXIS Slim vs SBI・V)eMAXIS SlimとSBI・V 商品の中身判断材料はポイント還元率のみ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) もくじ この投稿を見ていただきますと、「S&P500」がどういうパフォーマンスを見せているか、他の株価指数との比較を含めて把握していただくことができます。そして、eMAXIS Slimがどうスゴイのか、ライバル商品「SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド」との相違点も含めて把握することができます。そして商品選びをする際、何を判断材料にすべきか、参考にしていただける内容となっています。 ベンチマーク「S&P500」 まず「S&P500」というのは、格付会社の「スタンダード&プアーズ社」が「ニューヨーク証券取引所」と「ナスダック」に上場している企業のうち、代表的な企業の信用状態をチェックした上で選抜したTOP500銘柄の株価を、時価総額比率の加重平均で算出して、指数化したものです。簡単に言いますと、時価総額が大きい銘柄ほど組み入れる割合が大きくなっていて、時価総額が小さい銘柄ほど組み入れる割合が小さくなるということです。 「米国株に広く分散投資したいのに、500社にしか投資できないの?」と思われるかもしれませんが、S&P500は500銘柄といっても、これでアメリカの時価総額の約80%をカバーしていまして、セクター比率もアメリカの産業構成と同じぐらいになるように調整されています。つまり、S&P500のセクター比率はITが27%、ヘルスケアが13%、一般消費財が12%となっていますが、これはアメリカ全体のセクター比率とおおよそ同じになっていますので、米国株全体の動きを殆どそのままに反映してくれるのが、このS&P500という指数になります。 このS&P500がこれまでどういう値動きをしてきたかと言いますと、ご覧の通り右肩上がりとなっていて、過去10年で価格は3倍超となる成長を遂げていますので、これが、投資先として人気が集まる理由となっています。 米国株式 vs 全世界株式 「米国株式に投資すべきか、全世界株式に投資すべきか」ということで、S&P500とよく比較されるのが、全世界株式の指数「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」になりまして、少し見づらいですが、お互いチャートは同じような波形になっていることがお分かりいただけるかと思います。実際、S&P500に連動する投資商品と、全世界株式の投資商品、それぞれのパフォーマンスを比較してみます。 このグラフはトータルリターン、つまり値上がりによるリターンと配当によるリターンの両方が含まれたリターンを表すもので、S&P500に投資するETFの「VOO」と、全世界株式のMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに投資するETF「VT」それぞれのデータになります。このグラフでは、もし10年前に10万ドルを投資していたら、今ではいくらになっているかを表していますが、全世界株式だと259,500ドル、S&P500だと391,700ドルに増えていたということを表しています。もちろん、全世界株式の方が米国以外にも世界中に広く分散投資されていますので、暴落時の値下がり幅はマイルドになりますが、長い目で見ればS&P500のパフォーマンスというのは大変魅力的に映ります。 S&P500に投資するには 「なら早速、S&P500を買いたい!」といっても、S&P500はそれ自体が商品ではないので、実際にはS&P500に連動する金融商品を買っていく必要があります。具体的には、今見ていただいたようなETF(上場投資信託)や投資信託を購入していくことになりますが、投資信託の方が手軽に購入できたり、積立NISAの制度も活用できますので、まずは投資信託を選ぶので良いと考えています。 なので、まず投資信託のおさらいをしますと、投資信託とは金融資産の詰め合わせパックのようなもので、個別の株式などとは違って、一つの商品を買うだけで分散投資をすることが可能です。中でも今回対象となるのは株式型の投資信託になりまして、その中でも今回のテーマとなっているのは米国株だけで構成される投資信託で、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」はこれに該当します。 インデックス型の投資信託は手数料が命 それでは、ここからようやく本題に入りますが、タイトルにありますように、この度、衝撃的なことが判明しました。何が衝撃かと言いますと、それは、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の手数料が元々激安だったところ、今回更に激安になったという報告が入りました!よく耳にするのが「信託報酬」というもので、確かにこれが手数料の大部分を占めるものにはなるのですが、ここだけを見るのは大変危険です。必ず「隠れコスト」を含めた「実質コスト」確認する必要がありまして、今回、これらの手数料の発表があり、あまりの安さに衝撃を受けました! 投資信託の手数料には次のようなものがあります。購入時にかかる「購入時手数料」。解約時にかかる「信託財産留保額」。そして、保有額に応じてかかる「信託報酬」。これら3つの手数料は、目論見書(投資信託の取扱説明書にあたるもの)で確認することができます。それから、「隠れコスト」も保有額に応じてかかってきますが、これは事前に分かるものではなくて、1年運用してみて初めて分かるものです。なので、これは運用報告書で確認する必要があります。これらを合計したものが「実質コスト」となりまして、私たち投資家にコストとしてかかってきます。 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 激安の手数料 ということで、この度発行されたのが、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の運用報告書です。手数料がどうだったか、落ち着いて見ていきましょう。信託報酬:0.098%。隠れコスト:0.026%。合計の実質コストは0.124%。これは大変な低コストです!…といっても、どれぐらいスゴイことなのか、これだけでは分かりにくいと思いますので、eMAXIS Slimの手数料の推移を見ていきます。 第1期:0.203%。第2期:0.163%。第3期:0.124%。どこまで下がるんだという話です。なんでこんなに下げてくれるのかといいますと、eMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の運用コストを宣言しています。実際、自分のところよりも手数料が安い投資信託が出てきたら、それに追随するという対応をこれまでも取り続けてきました。 ライバル商品「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」 では今回は、どんな対抗馬が出てきたのかというと、それは「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」です! 以前は「SBI・バンガード・S&P500インデックスファンド」という商品でしたが、商品名が変更されました。名前以外は、何か変化があったわけではありません。 さてこのSBI・Vの手数料がどれだけスゴイのかと言いますと、信託報酬:0.092%。隠れコスト:0.018%。合計の実質コストは0.112%です。「eMAXIS Slim、負けてるじゃないか!」と思われるかもしれませんが、決算期間がズレているので、単純にここの数字だけで比較をすることができません。「実際のところ、eMAXIS SlimとSBI・Vのパフォーマンスはどうなのか?」というのを見たいところですので、基準価格の推移でもって検証していきましょう。 パフォーマンスを比較(eMAXIS Slim vs SBI・V) 基準価格というのは1万口あたりの価格のことを言いまして、株価の変動や手数料が反映されて、日々変化していきます。SBI証券のサイトで、各商品の基準価格のデータを取得することができますので、このグラフはそれをまとめたものです。この2つの商品は設定日、つまり発売日が違いますので、データをそのままグラフにすると「まぁ同じような動きをしてそうだな」というところぐらいは分かりますが、それ以上は分からないので、少し手を加えます。 基本的に投資信託は、設定日の価格を10,000円からスタートします。SBI・Vの設定日が19年9月26日ですので、今回はeMAXIS Slimのこの日の基準価格も10,000円に合わせてみます。それがこのグラフですが、eMAXIS Slimが消えました。消えたのではなくて、SBI・Vと殆ど同じ動きをしてしまっているので、ピッタリ重なってしまっています。繰り返しになりますが、この基準価格というのは、株価の動きは勿論、手数料も反映されたものなので、いずれの商品もそれぞれ、すでに手数料の安さが反映された結果がこの値動きです。基準価格がほぼ同じ動きをしているということは、手数料も同じように推移しているということを意味しています。 eMAXIS SlimとSBI・V 商品の中身 「それにしても何でここまで同じパフォーマンスになるのか?」と言いますと、それはどちらの商品も同じような銘柄に同じような比率で投資をしているからです。こちらはそれぞれの組入れ上位10銘柄になりますが、Apple, Microsoft, Amazon, Facebook, Alphabet(つまりGoogle)など、いわゆる「GAFAM」がいずれの商品でも中心となって、上位を占めています。ちなみに下段がSBI・Vの組入れ銘柄ですが、この一覧自体は米国ETF「バンガード・S&P500 ETF」(VOO)の資料です。というのも、SBI・Vは「ファンド・オブ・ファンズ方式」という形態を取っていまして、米国ETFに投資をすることで、間接的にアメリカの株式市場に投資するものだからです。なので、具体的な組入れ銘柄を確認したい場合は、このETFの銘柄を見ることになります。 ということで、これら二つの商品の組入れ銘柄がなぜ同じようになっているかといいますと、ベンチマークのS&P500こそ、このような構成になっているからです。eMAXIS SlimもSBI・VもS&P500に連動した成績を目指す投資信託ですので、ベンチマークのS&P500と同じように組み入れておけば、S&P500に連動するのは当然です。ただし、株の売買はいつでも意図した通りにできるものではないので、そこを如何にS&P500にしっかり連動させるかというのが、彼らの腕の見せ所になるわけです。 判断材料はポイント還元率のみ ということで、eMAXIS SlimとSBI・V、どちらの商品を買うべきなのかを考えるにあたって、商品自体のパフォーマンスは両者ほとんど同じだということが分かってしまいましたので、いよいよ判断材料に困るところです。ということで、他に残された判断材料は、ポイント還元をどれだけ受けられるかという点になってきます。投資信託でポイント還元を受けられる場面は主に2つありまして、一つは投資信託の保有額に応じて貰えるポイントで、これは証券会社が還元してくれるものです。もう一つはクレジットカード決済で購入した場合に購入額に応じて貰えるポイントで、これはカード会社が還元してくれるものです。 保有額に応じて貰えるポイントは証券会社が商品毎に設定しています。ここでは大変人気が高いSBI証券と楽天証券、それぞれのケースを見ていきましょう。念のため申し上げておきますと、どちらの証券会社も21年に入ってからポイント還元制度が改定されたため、それぞれ改定後のポイント還元率を記載しています。さて、それでは見ていきましょう。まずはeMAXIS Slim。SBI証券で保有した場合は年率0.0374%で、楽天証券で保有した場合は0.036%。これは投資信託の保有額に応じて、1年あたりに受けられるポイントの還元率です。SBI・Vは、SBI証券で保有した場合は0.0242%。…そして実は、楽天証券ではそもそもSBI・Vを取り扱っておらず、購入することができません。なのでSBI・Vを買うならSBI証券、eMAXIS Slimを買うなら楽天証券ということになりますが、0.01%ほどの差ですが、僅かながらeMAXIS Slimを楽天証券で購入するのが良さそうです。 そして購入時のクレジットカード決済ポイントはどうかと言いますと、「SBI証券×三井住友カード」での還元率は商品にかかわらず購入額に対して0.5%の還元。「楽天証券×楽天カード」では1%の還元を受けることができます。ですので、クレジットカード決済の点でも、eMAXIS Slimを楽天証券で購入するのが一番良さそうです。 ちなみに、これらの差による影響額を計算してみたのですが、例えば積立NISAに倣って年間40万円の積立を20年間行って、そこから20年かけて売却した場合は、保有ポイントで43,000円の差、クレジットカード決済ポイントで4万円の差となります。先程見ていただいた通り、運用成績が殆ど同じだということですと、あとはこういったポイント還元が、どちらの商品を買うのかを決める判断材料になってくると考えられます。とは言え、SBI・Vもかなりいい商品ですし、今後もeMAXIS SlimとSBI・Vでコスト競争を続けていくと考えられますので、正直、どちらを選んでも正解だと思っています。皆さんの商品選びの参考にしていただければ幸いです。
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