【ちゃんと知っておきたい】先進国株式の中身

こんにちは、Massaです。

今回は、「先進国株式ならどの商品も同じか?」「全世界株式とどっちがいいか?」といった疑問にお答えする内容となります。

結論を先に言ってしまいますと、一口に先進国株式と言っても、商品によっては日本を含むものもあれば、日本を含まないものもあるので注意が必要です。

また、全世界株式と先進国株式の一番の違いは、新興国を含むかどうかという点になりますので、どちらを選ぶべきかは、新興国の今後の成長に期待するかどうか次第になってくると思います。

今回お届けする内容はこちらになります。

まず、新興国に用いられる株価指数や対象国をお伝えしまして、次に全世界株式との違いを解説いたします。

そして、新興国の今後の成長に期待するかどうかという点が鍵になりますので、新興国株式がこれまでどのように推移してきたかを確認していきます。

そして最後に、全世界株式・先進国株式・新興国株式をどの組み合わせで買っていくのが最もお得なのかを解説いたします。

それでは、内容に入っていきましょう。

まず、そもそも先進国とはどの国をいうのか、ですが、その定義は曖昧です。

各機関や研究者がそれぞれの基準でもって、どの国を新興国と位置付けるかを決めているのが現状です。

そんな中、こちらに示しているMSCIやFTSEというのは、株価指数の算出や各種データを提供する金融サービス会社であり、金融商品への投資をする上ではよく目にする名前となりますが、この両者でも先進国の分け方は異なります。

MSCIはポーランドと韓国を先進国には含めていない一方、FTSEはこの2ヶ国を先進国に分類しています。

先進国の株式指数

投資信託の大半が、何らかの株価指数に連動したパフォーマンスを目指すインデックス型と言われる商品になっていますので、まずここでは、先進国に用いられる株価指数にはどんなものかあるのかを確認しましょう。

MSCIおよびFTSEが発表しているものでは、先進国株式の株価指数にも何種類か存在しており、銘柄数や価格、そして対象とする銘柄の規模がそれぞれ異なります。

もっとも広い範囲を対象としているのは、MSCIの方では、MSCI World Indexが先進国の大型株から中型株を対象としており、全世界の時価総額の約77%をカバーします。

FTSEの方では、FTSE Developed・オールキャップ・インデックスという株価指数が最も対象範囲が大きいものになります。

この株価指数は、大型株から小型株までの約5,600銘柄を対象としておりまして、全世界の時価総額の約90%をカバーします。

こういった中、両社とも日本を除いた株価指数を用意しており、それがMSCI KOKUSAI IndexとFTSE Kaigai Indexです。

日本の積立NISAで購入できる投資信託に絞って話をさせていただきますと、連動を目指すベンチマークとされているのは、MSCI KOKUSAI IndexとFTSE Developed・オールキャップ・インデックスの2つとなっており、これら以外のベンチマークは積立NISAの投資信託とは直接の関係はないものになります。

そしてMSCI KOKUSAIとFTSE Developed・オールキャップ・インデックスですが、この2つの大きな違いは、日本を含んでいるかどうかという点です。

もしも、どちらの株価指数をベンチマークとしている投資信託なのかを知らずに投資してしまうと、日本に投資するつもりでなくても、意図に反して日本に投資していたという事も起こりえますので、この点は是非ご注意いただきたいと思います。

参考までに、積立NISAで購入できる商品を挙げておきますと、MSCI KOKUSAIに連動するのはeMAXIS Slimやニッセイ外国株式、他15商品。

一方、FTSE Devoloped・オールキャップ・インデックスに連動するのは、SBI雪だるまです。

そして話は飛びますが、アメリカが60%・70%の比率を占めるというのは、何かに似ているとお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、このアメリカを多く含むというのは、全世界株式に似ていることが分かります。

そこで、全世界株式との比較をしていきましょう。

全世界株式でベンチマークとされるのは、MSCI ACWIやFTSE グローバル・オールキャップ・インデックスですが、

対象国の数や銘柄数は先進国株式の倍近くとなっており、価格についてはFTSE グローバル・オールキャップ・インデックスに至っては世界の時価総額のほぼ100%をカバーします。

国の比率を比較しますと、全世界株式ではアメリカの比率が55%強である一方、先進国株式ではアメリカの比率が70%前後となっています。

何がアメリカの比率に違いをもたらしているのかというと、新興国を含むかどうかという点になります。

よって、全世界株式を選ぶか、あるいは先進国株式を選ぶかというのは、先進国の成長に期待するかどうか、という点に集約されると思います。

新興国の株価

そこで、新興国の経済成長と株価の推移を確認していきましょう。

まずは経済成長についてですが、こちらはGDPの成長率を表すチャートで、赤い線が新興国です。

そして比較のためにアメリカのGDP成長率を青い線で示しています。

新興国はインドを始めとして人口が増加していることは広く認識されており、新興国の経済は目まぐるしい成長を遂げています。

もちろんアメリカの経済も堅調に成長していますが、新興国の経済はそれ以上に2002年以降、急成長を遂げていることが分かります。

このチャートを念頭に置いていただいた上で、次のチャートをご覧ください。

一方、株価はどうかと言いますと、アメリカの株価は経済成長に伴って右肩上がりで成長していますが、新興国の株価はヨコヨコで推移しています。

新興国への投資においては、内戦・汚職・法改正といったカントリーリスクが考慮されるため、経済が成長しているからと言って必ずしも株価が伴うわけではない、ということを頭に入れておく必要があります。

しかしながら新興国も、いずれカントリーリスクが安定に向かえば、経済は急速に拡大しているため、それに伴って株価も連動して成長するだろうという期待が寄せられているのも事実です。

ということで繰り返しになりますが、全世界株式か先進国株式のどちらを選ぶかは、新興国の今後の成長に期待するかどうかになると思います。

先進国株式は全世界株式と比べてお得?

全世界株式が、先進国株式と新興国株式を合わせたものだということは、先進国株式と新興国株式それぞれの投資信託を個別で購入しても、全世界株式の投資信託を購入しているのと同じ意味になります。

どちらがお得なのか、手数料から比較をしていきましょう。

ここではeMAXIS Slimシリーズを例に挙げてみますが、全世界株式オールカントリーの投資先の分布はこのように、先進国が87.6%、新興国が12.4%となっています。

その比率で、例えば積立NISAの年間投資額上限の400,000円を先進国株式・新興国株式に分けて投資したとすると、それぞれ信託報酬・隠れコストを合わせた年間の手数料は828円となります。

一方、全世界株式1本に投資する場合は、0.209%の手数料がこの400,000円にかかってきますので、年間の手数料は836円となり、

手数料としてかかってくる金額は個別に買った方が若干安いですが、どちらもほとんど変わらないことになります。

ただし、何より全世界株式のいいところは、もし新興国の株価が成長するなどした場合は、その比率を引き上げる「リバランス」の作業をファンドの方で勝手にやってくれる点です。

もし、先進国株式と新興国株式を別々に保有していた場合、世界の情勢に合わせるためのリバランスを自分自身の手で行う必要性が出てきます。

それであれば、全世界株式1本に投資をした方が、手間を省くことができるため、ベターだと思います。

先進国株式 まとめ

それでは、今回のまとめに入ります。

先進国株式には日本を含むものと含まないものがあるため、意図から外れた投資をしないよう、注意しましょう。

全世界株式か先進国株式のどちらを選ぶかの基準は、新興国の成長に期待するかどうかになると思います。

全世界に投資するのであれば、先進国株式と新興国株式を個別に保有しても手間はほぼ同じであるため、リバランスの手間を考慮すると全世界株式を購入するのがベターだと思います。

最後になりますが、投資をする上では、商品の中身を把握した上で、意図に合ったエリアに投資をしていきましょう。

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