S&P500に投資するならeMAXIS Slim/SBIバンガード(投資信託/積立NISA/米国株式)

こんにちは、Massaです。

今回は「積立NISAでS&P500を買いたい!どうすればいい?」という疑問にお答えする内容となります。

これに対する答えとしては、「S&P500は買えないけど、S&P500に連動するいい投資信託はあるよ!」という回答になります。

なぜS&P500が買えないのかというと、S&P500というのは株価指数の一つであって、それ自体が商品ではないからです。

ですので、積立NISAでS&P500に投資するとなりますと、S&P500の動きに連動する投資信託を購入することになります。

S&P500に連動する商品はいくつもありますが、積立NISAでS&P500に連動する商品を買いたいとなりますと、8本の商品の中から選ぶことになります。

米国株式の投資信託では他にも、クリスプUSトータル・マーケット・インデックスも一つの商品でベンチマークとして用いられています。

ちなみに他の米国の株価指数としては、NYダウが耳にすることが多いと思いますが、積立NISAで購入できる投資信託には、NYダウに連動する商品はありません。

S&P500というのは、それ自体商品ではなく、投資するのであれば、S&P500に”連動する”商品を購入することになるんだ、ということを念頭に置いていただきまして、この記事をご覧いただければと思います。

今回お届けする内容はこちらになります。

米国株式がオススメな理由の解説、投資信託のおさらいや投資信託を選ぶ基準の解説を致します。

そのあと本題に入りまして、S&P500に連動する米国株式型投資信託の2大商品について、徹底比較を行ってまいります。

それでは、内容に入っていきましょう。

米国株式がオススメな理由

日頃、NYダウの値動きはニュースでよく報じられていますが、過去10年のチャートを見ますと、3倍近くに成長していることが分かります。

そして、投資信託でもベンチマークとして多く用いられるS&P500や、クリスプUSトータルマーケットインデックスといった株価指数も同じように右肩上がりで成長しており、これが米国株式に人気が集まっている要因となっています。

また、「米国株式がオススメな理由」は、もう一つ、「人口が増加しているから」という事も挙げられます。

アメリカは先進国の中では唯一、人口の増加が見込まれており、2020年で約3億3千万人、2050年には約3億8千万人にまで達すると予測されています。

また年代別に見ましても、各層バランスの取れた構成となっており、当面、少子高齢化とは無縁であることが分かります。

これらの点から、アメリカの経済発展および株価の成長は今後も継続すると考えられるため、米国株式に人気が集まる要因となっています。

投資信託とは?

ここでは投資信託のおさらいをしていきましょう。

投資信託とは、国内外の株式、国内外の債券、国内外のリートなど、金融資産を詰め合わせたものです。

投資信託のメリットというのは、個別の株式とは違い、一つの商品を買うだけで数百・数千の投資先に分散することができるので、手軽に分散投資ができるという点です。

数百・数千の投資先うち、いくつかが不振に陥っても大丈夫。といった具合に、手軽にリスク分散できるのが投資信託のメリットになります。

その中でも今回お話する米国株式の投資信託というのは、これらのうち先進国の中でも米国の株式だけを詰め合わせた商品になります。

投資信託の商品選びの基準

ここでは、米国株式型の投資信託の、具体的な商品を見てみましょう。

こちらは、積立NISAで購入できる米国株式の商品を一覧にしたものです。

この中で、S&P500に連動する商品は8つあります。

これだけあると、どの商品を選ぶのが良いのか迷ってしまいますが、商品を選ぶ基準は主に2つ。一つは純資産額、もう一つは手数料です。

純資産額が少ない商品ですと、資金不足によってファンドの運営が立ち行かなくなって、資金が投資家に強制的に返されてしまう「繰上償還」という事態が起こる可能性が出てきます。

目安としては30億円以上あれば繰上償還の可能性は極めて低いと言われていますので、この中では半数以上の商品は問題ないものと見て取れますが、純資産額は大きければ大きいほど繰上償還の可能性は低くなり、また手数料も安くしやすいというメリットもあります。

その手数料を見てみますと、eMAXIS Slim米国株式S&P500とSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドが0.2%を下回る、非常に安い手数料となっています。

手数料については後程詳しく説明してまいりますが、つまり、積立NISAで「S&P500」に投資するのであれば、純資産額が多くて手数料も安い、この2つの商品の二択で宜しいかと思います。

今回は、この2つの商品を取り上げて分析し、徹底比較をしてまいります。

それではここから、S&P500に連動する2大商品の比較を行ってまいりましょう。

S&P500投資商品 TOP2 を徹底比較!!

今回分析していきますのは、純資産額も大きく、手数料も安い、eMAXIS Slim米国株式S&P500とSBI・バンガード・S&P500・インデックス・ファンドです。

尚ここからは、前者をeMAXIS Slim、後者をSBI・バンガードと呼ばせていただきます。

今回、比較をしていく項目は、純資産額、投資対象、価格推移、実質コスト、などになります。

まず純資産額については今見ていただいた通り、eMAXIS Slim:2,289億円、SBI・バンガード:1,027億円となっています。

繰り返しになりますが、30億円以上あれば繰上償還の可能性は極めて低くなる中、どちらも桁外れの純資産額となり、ここまでくると、運用する上で何か違いが出てくるということは無いと思います。

純資産額が大きければ大きい程、手数料を下げやすいという点はありますが、SBI・バンガードも設定日以来、順調に純資産額を伸ばしていますので、コスト競争力の点でもeMAXIS Slimにしっかり付いていくものと考えられます。

続いて、投資対象について見ていきましょう。

この2つ商品がそれぞれどこを投資対象としているかと言いますと、いずれもアメリカの大型株の500銘柄に投資する商品になります。

500銘柄といっても、これでアメリカの時価総額の約80%をカバーするものになりますので、かなり広範囲に分散投資ができる商品になります。

なぜ、投資対象の範囲が同じなのかと言いますと、いずれの商品もS&P500をベンチマークとしているからです。

ベンチマークというのは、連動を目指す株価指数のことを言いますので、つまり、eMAXIS SlimもSBI・バンガードもS&P500への連動を目指して運用されている投資信託ということになります。

具体的に、どういった銘柄に投資しているのかを見てみましょう。

まずはeMAXIS Slimですが、投資先の主要10社を見てみますと、まさに今をときめくIT企業が揃っています。

ちなみに、第一位のマイクロソフトの比率が5.3%とありますので、例えば10万円をこのeMAXIS Slimに投資したとすると、5,300円はマイクロソフトの株を購入することを意味します。

同じように、SBI・バンガードについても見ていきたいと思いますが、その前にSBI・バンガードはアメリカの上場投資信託「バンガード・S&P500 ETF」を投資対象としています。

「投資対象としている」というと分かりにくいので言い換えますと、そもそもSBI・バンガードというのは、「バンガード・S&P500 ETF」に少額から手軽に投資できるように作られた日本の投資信託になります。

よって、具体的にどこに投資しているのかを知るためには、この「バンガード・S&P500 ETF」の投資先を見ていく必要があります。

投資先の主要10社を見てみますと、先ほどeMAXIS Slimでも挙がっていたのと同じ企業が、名前を連ねています。

このように、具体的な銘柄についても、両者とも同じような銘柄に同じような比率で投資しています。

これは、同じ株価指数をベンチマークとしているので、当然のことと言えます。

ということで、投資対象については、eMAXIS Slim, SBI・バンガードいずれもS&P500をベンチマークとしており、アメリカの時価総額の約80%をカバーするもので、ほとんど差異はありません。

それでは続いて、価格がどのように成長してきたかを見てみましょう。

まずはeMAXIS Slimです。

人気商品なのでずっと前から販売されていたような印象を持ちますが、実は設定日は2018年の7月と歴史が浅いため、価格の推移は過去2年ほどしか追うことができません。

そこで、代わりに見るべきはコチラ。

eMAXIS Slimのベンチマークである「S&P500」のチャートを見てみましょう。

こちらのチャートは過去10年の価格推移を示すものになりますが、10年で3倍近くに成長していることが分かります。

よって、もし10年前にこの投資信託を購入することができたと仮定した場合、価格は3倍近くに成長していたと言うことができます。

続いて、SBI・バンガードの価格についても、価格の推移を見てみましょう。

SBI・バンガードに至っては、設定日が2019年9月と、更に新しい商品になりますので、過去1年ほどしか追うことができません。

そこで、代わりに見るべきはこの「バンガード・S&P500 ETF」のチャートです。

繰り返しになりますが、SBI・バンガードは、アメリカの上場投資信託「バンガード・S&P500 ETF」を投資対象としていますので、こちらの価格と全く同じ動きを取ります。

よってSBI・バンガードの価格はこの「バンガード・S&P500 ETF」のチャートを見れば、推移を把握することができます。

eMAXIS Slimと同じく、S&P500に連動しますので、同じように、過去10年で3倍近くに成長してきたことが分かります。

よって、もし10年前にSBI・バンガードを購入することができたと仮定した場合、価格は3倍近くに成長していたと言うことができます。

いずれの商品もS&P500に連動しており、過去10年の実績からすると、価格は3倍近くに成長していることは分かりましたが、ところで、この2つの商品を比較すると、どうなのか?という点を、それぞれの基準価格でもって比較してみたいと思います。

設定日はeMAXIS Slimが2018年7月、SBI・バンガードが2019年9月で、いずれも基準価格は1万円でスタートしています。

ちなみにですが、多くの投資信託が設定日の前日の価格を1万円としてスタートするケースが多くなっています。

eMAXIS SlimとSBI・バンガードで設定日が違うため、基準価格は設定日が早いeMAXIS Slimの方が高い位置で推移しますが、同じS&P500をベンチマークとしているため当然ながらトレンドとしては同じ動きを取りますので、価格が上昇するときは同じような幅で上昇し、下落するときは同じような幅で下落します。

それでは厳密に比較するため、この2020年の1年間、基準を合わせて比較してみましょう。それがこちら

いずれの商品も、2020年1月の基準価格を1万円に合わせてみたところ、グラフはほとんど重なっており、ほぼ同じ値動きをしていることが分かります。

価格推移の部分については、過去10年で3倍近くに成長したというのは、どちらにも等しく言えることになりますし、過去1年間のチャートを見ても、ほぼ同じ値動きをしたことが分かります。

これは、いずれの商品もS&P500をベンチマークとしているため、当然の結果となります。

ここまで、価格推移について見てきました。

それでは続いて、手数料について見ていきましょう。

投資信託の手数料は、これらの内容で構成されます。

購入時に支払う「購入時手数料」、解約する際に支払う「信託財産留保額」、そして、保有額に応じて支払う「信託報酬」で、手数料の大部分を占めるものになります。

これら3つの手数料は目論見書に記載されていますので、事前に確認することができます。

そして、最も分かりにくいのが「隠れコスト」と言われるものです。隠れコストは事前に分かるものではなく、運用してみて初めて分かる手数料になります。

よって、この隠れコストについては目論見書ではなく、この運用報告書で確認することになります。

隠れコストはこの赤枠の箇所に記載されています。

ということで、これら全ての手数料を合計したものが「実質コスト」となり、手数料を見る場合には、信託報酬のみならず、この隠れコストを含めた実質コストを見る必要があります。

それでは、2つの商品にかかる手数料を整理しましょう。

まずはeMAXIS Slim。

購入時手数料:なし。信託財産留保額:なし。信託報酬:0.119%。隠れコスト:0.044%。

合計の0.163%が実質コストとなります。

続いて一方のSBI・バンガード。

購入時手数料:なし。信託財産留保額:なし。信託報酬:0.062%。

そしてSBI・バンガードについては、投資対象であるバンガードS&P500 ETFでの報酬が発生するので、これが0.03%。隠れコストは0.08%。

合計の0.172%が実質コストとなります。

これだけを見るとSBI・バンガードが高いように見えますが、決算時期がズレているため単純に比較することはできず、もう少し長い年数、経過を観察する必要があります。

ちなみにですが、2019年9月にSBI・バンガードが発売されたすぐ後、10月に、eMAXIS Slimは信託報酬の引き下げをしています。

eMAXIS Slimは業界最低水準の運用コストを宣言していますので、もしSBI・バンガードやその他のファンドが手数料を下回ることがあれば、eMAXIS Slimも追随するものと考えられます。

ということで手数料は、単純に比較はできないものの、直近の決算期だけで見れば若干eMAXIS Slimの方が低くなっていますが、いずれもかなり安く抑えられていますので、両者で大差無しと捉えてよいかと思います。

それでは、取扱い証券会社とカード決済について、一度にまとめて見てみましょう。

こちらは、楽天証券、SBI証券それぞれのサイトで米国株式型の投資信託を検索した結果の画面になりますが、SBI証券の方では、eMAXIS SlimとSBI・バンガード、いずれも購入することができますが、一方、楽天証券の方では、eMAXIS Slimは購入できるものの、SBI・バンガードについては楽天証券では購入することができません。

これがどう影響してくるかを次のスライドで説明します。

投資信託などの金融商品は、通常であれば銀行口座からの引き落としで行われますが、楽天証券では楽天カードで決済をすることができます。

しかも、楽天カードで決済することにより、決済額に対して1%のポイント還元を受けることができます。

これが、楽天証券で購入できることの最大のメリットだと思います。

一方SBI証券では、2021年2月以降、順次、三井住友カードでの決済が可能になるようです。

ただし、ポイントの還元率は決済金額の0.5%と、楽天証券のカード決済の1%還元に比べると、見劣りしてしまいます。

投資信託というのは、年間で4%から5%のリターンを狙うものですので、その中での0.5%の差は無視できないものだと思います。

楽天証券で購入できるかどうかが唯一、eMAXIS SlimとSBI・バンガードで優劣をつける材料になるかと思います。

ということで、eMAXIS Slimは楽天証券・SBI証券いずれでも購入できる一方、SBI・バンガードは楽天証券では購入することができません。

これによって、SBI・バンガードでは楽天カード決済による1%還元を受けることはできず、受けられるのは三井住友カード決済による0.5%のポイント還元に留まります。

今後、SBI・バンガードも楽天証券で購入できるようになる可能性はありますが、現段階では、ポイント還元の点で楽天証券で購入できるeMAXIS Slimの方に優位性があると思います。

ここまで、如何でしたでしょうか?

純資産額は、額としてはeMAXIS Slimの方が大きいですが、SBI・バンガードも順調に純資産額を積み上げていますし、そもそも、この桁外れのレベルまでくると特に何か違いが出てくるわけではないと思います。

投資対象と価格推移は、同じくS&P500をベンチマークとしているため、両者に違いはありません。

手数料については決算時期に違いがあるため厳密な比較はできませんが、競争の原理で、いずれもかなり安く抑えられているため、ほぼ同じと見てよいかと思います。

唯一、無視できない差が出るのは、購入できる証券会社の違いから、受けられるポイント還元率の点になりまして、現段階ではeMAXIS Slimに軍配が上がるかと思います。

S&P500投資商品 まとめ

それでは、今回のまとめに入ります。

S&P500とは、米国の取引所に上場する代表的な500銘柄で構成される株価指数

純資産額とコストの点で、S&P500への投資ならeMAXIS Slim と SBI・バンガード の二択

両者で甲乙をつけ難いですが、楽天証券で購入できるかどうかによるポイント還元率の差で、現段階ではeMAXIS Slim に軍配上がると思います。

皆様の参考にしていただければと思います。

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